前号の「同性同士の結婚合法化?」で、結婚したホモセクシュアルの養子縁組に触れて「今後、同性愛者たちの根強い運動と、彼らに育てられる児童の健全な成長が社会の疑心に答えてくれるのでは」という箇所があったけれど、パリジャン紙の11月7日号に掲載されたラファエルさんのインタビューに考えさせられることが多い。ラファエルさんは20歳、リヨンにある看護士学校に通っている。
両親が離婚した後、レズビアンの母親と、彼女の恋人の二人の「ママン」と住むことになる。7、8歳くらいまではそのことが全然気にならなかったという。「二人の母親がいるということは当たり前だと思っていました」。そして彼女が15歳の時、「母が新しい恋人と住むようになり、その時はじめて母がホモセクシュアルであることに気づきました」という。母がホモセクシュアルであることをガールフレンドに話す。「それを聞いた友だちが私をつき放さなかったので、本当に安心しました」。「実の父はあまり私のことをかまってくれなかったけれど、教師とか叔父とか、特に祖父とか、友人たちとか、男性の存在に欠けていたとは思いません」
そんな彼女にとって、政府のホモセクシュアル間の結婚と養子縁組を認めようという法案に対し、保守やカトリック教徒が「ホモセクシュアルの両親の元では子供は健全に育たない」と唱えていることが我慢ならない。「私が怪物に見えますか。現在の議論に聞かれる醜悪さにはうんざりです。児童精神科の医師たちは、私たちを不幸者扱いにし、私たちの両親たちを怪物とみなしています。これは冒とくです」と怒りがあらわになる。「今そんな議論にうつつを抜かす人たちは、心を開くという、大切なことを忘れています」
フランスには、今のところホモセクシュアルの親を持つ子供たちが10万から20万人いると考えられている。ラファエルさんは、最近、ホモセクシュアルの父親を持ったアレクサンドルさん(38)とDECLA(ほかの子供たちと同じように)という協会を作った。「たくさん電話がかかってきますが、本名を言いたがらないんですよね。そんな臆病さが、両親がホモセクシュアルであるという事実より、私たちをむしばんでいくのだと思います」(真)