長引く中東情勢の緊迫による原油価格の高騰は、世界中に深刻な影響を及ぼしている。中でも日本よりも遥かに高いガソリン税が課せられているフランスでは、テレビのニュース専門チャンネルBFM TVが毎日「今日のガソリン平均価格」を伝え、市民の間でも「高騰するガソリン価格に歯止めが効かないのではないか」と不安がつのっている。そんな危機の中、倹約家のフランス人たちは、どうやってこの状況を乗り越えようとしているのだろう? そう思って調べてみると、施設や個人で、やはり日本とは違った独特な対策をとっていることがわかってきたので、今回はそのうちの幾つかをかいつまんでご紹介しよう。
欧州の他国と同様、フランス人も燃費が良いディーゼル車を選ぶ傾向が強い。ディーゼル車は同じモデルのガソリン車より中古車市場で値落ちが少なく、高価格で売買されている。市場で出回っている中古車をみても、ディーゼル車が圧倒的に多い。この傾向は当分続くだろう。
日付、走行距離、1リットル当たりのガソリン価格、総給油量、総ガソリン価格を記録する、「ガソリン家計簿」を付けることが盛んになっている。これを付けることにより、一目で平均燃費がわかるのはもちろんのこと、毎月どの位の金額をガソリン代に費やしているかが一目瞭然となる。自ずと倹約精神が生まれる。
地方へ向かう高速道路では、道路脇の一定間隔に「この先にあるガソリンスタンドのガソリン価格一覧表」という看板がある。この看板を頼りに、ドライバーはどこのガソリンスタンドで給油するのが一番得かを確認できる。
一般的に「エコな運転」というと、スムーズで丁寧な操作が基本だ。とはいえ操作の工夫だけでは限界があるのも事実。普段と違った視点で、思わぬエコドライブの発見を望みたいところだが、取りあえずは、「ガソリン家計簿」から試してみてはいかが?(和)