
© Lionel Sabatté, ADAGP, Paris, 2026 © Grégory Copitet
Lionel Sabatté – Ce qui reste
リオネル・サバテ(1975-)は、普通なら捨てるような残りものを素材にして、素材からは想像できないものを創り出す、面白いアーティストだ。2025年、コレクター集団のNPOが独創的なフランス人、またはフランスを活動拠点とする造形作家に与えられる「マルセル・デュシャン賞」の最終選考に残った。サバテともう1人のアーティストが本命かと思っていたら、全く視野に入らなかった人が賞を獲得してしまった。
それにリベンジするかのように今年開いたのが、この狩猟自然博物館での個展で、新作の絵画、デッサン、彫刻を展示している。中庭入り口にあるのは、ブロンズと死んだオリーブの木の枝を組み合わせた鹿の彫刻だ。鹿の頭が地面について、うなだれている。セメントでできた熊の彫刻もやはりうなだれており、「野生動物=雄々しい」というイメージはない。
絵画では、20年前から行っている金属の酸化を紙やキャンバスの上で行い、偶然に出てくる美しい色や形からフクロウや胎児、イノシシなどを描いた。いわゆる「汚いもの」を使うのもサバテの特徴だ。地下鉄の駅のホコリを集めて作ったオオカミやツバメには、地下鉄で移動するという人間の活動の副産物から野生動物を生み出すという意外性がある。
最上階の会場に、蝋でできたかのような白い花がある。花びらは、実はサバテの硬くなった足の皮を削って集めたものだ。作者にとっては自分の体の一部で愛着があるものでも、他人から見たら、ただの汚い皮でしかない。そこから美しいものを作り、人と自分の境界線を曖昧なものにする。廃物利用アーティストの中でも、独創性と美しさでトップクラスに入る人だ。(羽)2/21まで

Musée de la Chasse et de la Nature
Adresse : 62 rue des Archives, 75003 Parisアクセス : Rambuteau
URL : https://www.chassenature.org
11h-18h (水-21h30) 13.5€/11.5€
