
フランスと韓国の国交樹立140周年を記念して、「K-Beauty」の企画展がギメ美術館で開催されている。「K-Beauty」と聞いてまず何を想像するだろうか。ここ10年ほどで、韓国コスメやスキンケア商品は日本のドラッグストアには当たり前のように浸透しており、パリで手に入るものも少なくない。「K」にまつわる影響で言うと、韓国ドラマ(K-Drama)、K-Pop、韓国料理(K-Food)ももちろん外せない。
そんな今をときめく「K」の魅力だが、本展覧会では李氏朝鮮後期まで遡って「韓国の美」について考察する。18世紀ごろ、長らく日陰の存在とされてきた女性たちは「美人図」というジャンルを通して文学や絵画の主題として登場しはじめた。特に画家シン・ユンボク(1758-1813頃)が主な題材として扱った妓生(遊女)は濃い化粧、凝った髪型、鮮やかな服をまとう存在として描かれ、それらは現代の韓国のドラマや漫画などにも影響を与えている。展覧会ではそんなシン・ユンボクの貴重な作品と彼にインスパイアされた作品があわせて見られる。
「美」という概念が社会情勢とともに変化していくものだということは、この展覧会の時代背景に沿ったセクションを追っていくと明らかだ。20世紀に入ると外国の支配とともに入ってきた「ニューウーマン」運動などの西洋文化に感化され、それまでは新儒家思想において重んじられてきた長い髪を切る女性も現れはじめた。洋服も日常的に着られるようになり、まさに伝統と西洋の美意識が入り混じる時代だった。ご存知20世紀後半には韓流がアジア諸国を筆頭にエンタメを賑わすようになり、昨今では男女問わず韓国の俳優やアイドルが「K-Beauty」を促進している。
展示の最後にあるショート動画は、ナム・アルム監督の2016年の自伝的ドキュメンタリー映画『アルム』から抜粋されたもの。自分自身を記録した映像では、韓国の美の基準に葛藤する女性アルムが赤裸々に映し出されている。韓国の美の変容にとどまらず、その影響についても考えられる展示となっている。7月6日まで。
※今回の企画展に際して開催されている各種イベントは公式サイトで
URL : http://www.museedemontmartre.fr

Musée Guimet
Adresse : 6 Pl. d'Iéna, 75116 Paris , FranceTEL : 01 56 52 54 33
アクセス : Iéna
URL : https://www.guimet.fr
火曜定休。10h-18h。15€/12€。



