オニオングラタンスープへの衝動に駆られてやって来たのは、アヴェロン地方の料理を得意とするビストロ。店内はレトロなポスターが所狭しと飾られ、古き良きビストロの雰囲気に期待が高まる。
前菜は迷わずにオニオングラタンスープ(13.9€)をシェアすることにし、メインには好物のソーセージ&アリゴ(18.9€)、友人は鴨のコンフィ(19.9€)を注文した。待望のオニオングラタンは、個人的には表面のチーズがもう少しこんがりしていてほしい。そう思いつつ口中に含んでスープの繊細さに驚いた。ややもすれば重くなりがちなオニオンスープだけれど、玉ネギのコクがしっかりありながら透明感が際立っている。
メインのソーセージも脂っこさがなく、かといってパサついてもいなく、噛むほどに味わい深い。そして付け合わせのアリゴがとにかく目を見張る素晴らしさ。オーブラック産のトム・フレッシュのまろやかな風味と、唇に舌に触れた時の絹のようななめらかさにただ陶酔してしまう。お好みで足せるようにとニンニクが別添えなのも気が利いている。
鴨のコンフィは、身がほろほろなのはもちろんだけど、皮の仕上がりは店によって結構異なるもの。ここは皮がカリッと焼けているので、皮好きにはたまらない理想のコンフィだ。常連客で賑わう昼間は日替わりランチ(14€)も人気で、この日は多くのお客さんがブーダンノワールに舌鼓を打っていた。グラスでとったシノンの赤も、フレッシュさと力強さのバランスがよく大満足。昔ながらの気取らないビストロ料理の良さを改めて感じる、リピート必至の店だ。(み)
Bistrot des Vosges
Adresse : 31 boulevard Beaumarchais, 75004 Paris , FranceTEL : 01.4272.9485
アクセス : M°Chemin Vert / Bastille
URL : https://www.bistrotdesvosges.com
12h-22h 無休 日替わりランチは月〜土 (日曜のみ不可)。