舞台は60年代のフランスの小さな村。主人公のロベールは(クリスチャン・エック)、家のガレージで「物質電送」の実験を続けている。50歳を越しているが母親とのふたり暮らし。少しずつ実験に成功し、ロベール自身が物質電送するときに電送マシーンにハエが入ってしまい……。
『蠅』といえば、デヴィッド・クローネンバーグ監督の『ザ・フライ』(1986)がまず頭に浮かぶ。筋は映画と同じだが、60年代のフランスののどかな田舎町の舞台装置や脚本、俳優4人の演技でまったく違った作品に。蠅男を演じるクリスチャン・エック、マリ・ピエール役を演じるヴァレリー・ルゾーがふたり「原作から自由にインスパイア」し、演出した芝居。エックはコメディー・フランセーズの実力派俳優だが、独特の風貌と所作とセンスで、彼が舞台に出ると芝居が振動し、輝き、コミカルになる。
ちなみに原作はジョルジュ・ランジュラン。パリ生まれのイギリス人で英仏語をあやつり、第二次世界大戦中はイギリスの諜報機関でスパイ活動、戦後はフランスで記者として活動した。その時代にフランス語で書いたのが、彼の代表作『蠅』(1957)だった。子どもでも、フランス語が少々わからなくても十分たのしめる演劇だと思う。
2月7日(水)〜25日(日)
2/7(水)〜 2/17(土): 20h
2/20 (火)〜 2/24(土) :21h
2/11, 18, 25の日曜日はマチネ:15h
20€ / +65歳 17€/ 26歳未満 12€
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Théâtre des Bouffes du Nord
Adresse : 37 (bis) bd de La Chapelle , 75010 ParisTEL : +33 (0)1 46 07 34 50
アクセス : La Chapelle
URL : http://www.bouffesdunord.com/fr/la-saison/la-mouche