Cité internationale de la langue française
「国際フランス語センター」がオープン!
ヴィレール・コトレ城は、フランソワ1世が鹿狩りのため、1532年から建てさせた館。パリから北西に80km、レッツの森のそばにある。文芸の保護育成に熱心で後世「仏ルネサンスの父」と呼ばれたこの王が1539年、行政・司法文書を仏語で記すことを決めた「ヴィレール・コトレ勅令」に署名した場所としても有名だ。それまで使われてきたラテン語を排し、仏語をいわば公用語にした画期的な決定だ。
城は仏革命時は兵舎に、ナポレオン治世下の1804年には乞食収容所となり、1889年以降は一部が養老院として使われていたが、建物はかなり老朽化していた。
マクロン大統領は2018年、歴代大統領の大型文化プロジェクト実現の伝統を引き継いで、この城を「国際フランス語センター Cité internationale de la langue française」とすることを決めた。ノートルダム大聖堂改修に次ぐ2億1111万ユーロの資金と3年間を費やして大改修し、去る10月30日にオープン。
コンサートや演劇、講演会が開催されるオーディトリアム、アーティストのレジデンス、仏語教育の場も設けた総合文化センターだ。だが、目玉はなんといっても仏語に関する常設展。いま現在使われている“生きた言語”を対象とする展覧会とはいったい何なのか?ヴィレール=コトレに行ってみた。(し)