ユネスコの世界文化遺産に登録されている17の建築物のうちの一つ。
4ヵ月にわたる修復を経て、昨年末に見学を再開したばかり。
ARCHI VR à la Villa Savoye
ル・コルビュジエと、彼のいとこピエール・ジャンヌレが設計し、20世紀建築の傑作と評価される 「サヴォア邸」でもVRが始まった。フランス文化財センターの建築VRシリーズ第一弾となる。
サヴォア邸の設計をル・コルビュジエに依頼したのは、保険会社を経営するピエール・サヴォアと妻のウージェニー。夫妻はル・コルビュジエが設計したチャーチ邸を見て感銘を受け、1928年、息子と週末を過ごす別荘を依頼。31年に竣工した。
通常の見学に加えてゴーグルを着けて10分間体験できるVR（別料金）は、サヴォア夫人がパリ16区の住まいから車で新しい家を見に来るという設定だ。ヴァーチャルだから現実には不可能なアングルから室内が見られる。また、サヴォア邸が完成した頃、この丘は林に囲まれ、草原が広がっていた。VRでこそ可能になる、屋上庭園からの、当時の緑豊かなセーヌの眺めは最高だ。
夫人はこの別荘を 「明るい時間」と呼んだ。ピロティに支えられた2階の住居部分の壁には、端から端まで窓が一続きになっているから光が入り、中からは緑の庭が見えてすがすがしい。鉄筋コンクリートで床、柱、階段を作り、それらが建物を支えるようにすれば、壁は取っ払ってしまえる。そうすれば、明るく、広い空間が可能になるのだ。また、この邸宅の広間のように一面大きなガラス窓にすることも可能になる。そういったル・コルビュジエの近代建築の理論がみごとに踏襲されているのが、このサヴォア邸であることもVRが説明してくれる。
落成後も防水の問題などでサヴォア家の人々はあまり住まず、間もなく戦争でサヴォア家は渡米、邸宅は独軍そして米軍に徴用された。国の歴史的記念物になったのは1964年のことだった。
▶︎「ARCHI VR」 Villa Savoye
3月は、1-4、11-12、18-19、25-26の週末。
それ以降はサイトでチェック。
11h、11h30、14h、14h30、15h、15h30、16hの回。10分間。
サヴォア邸入場料+4€。13歳以上。予約をお勧め。
www.villa-savoye.fr
サヴォア邸には、これらの原則が適用されていることからも、ル・コルビュジエの代表的な作品だといわれる。
Villa Savoye
Adresse : 82 rue de Villiers, 78300 Poissy , FranceTEL : 01.3965.0106
アクセス : SNCFのJ線かRER-A線でPoissy下車、バス50番La Coudraie行き、Villa Savoye下車
URL : https://www.villa-savoye.fr/
月休、10-17h （5月-8月は-18h）、入館 8€/6.50€。
