Fazil Say: Bach Variations Goldberg
映画『羊たちの沈黙』の一シーン。独房の中でハンニバル・レクターがクラリスを思い浮かべながら聴いているのが、バッハのゴルトベルク変奏曲のアリア。映像と音楽がみごとに融合している。このアリアを弾いているのは屈指のバッハ弾き、グレン・グールド。もともとはハープシコードのために書かれた曲だが、ピアニストにとってもバイブルのような名曲中の名曲で、最近では、ラン・ラン、アレクサンドル・タロー、ベアトリーチェ・ラナの録音が高い評価を受けた。ぼくの愛聴盤はシュ・シャオメイが1990年に録音したものだ。
アリアにはじまりアリアで閉じられる中に30の変奏曲が続くのだが、それぞれの変奏に異なる表現をと力んだり、美しい音を出そうと気どったりすると、バッハの精髄がたちまちこぼれ落ちてしまう。トルコ出身のピアニスト、ファジル・サイによるバッハのアルバムは、フランス組曲やイタリア協奏曲などが入っている1枚だけなのだが(写真)、表情豊かで喜びにあふれている*。サイがゴルトベルク変奏曲をどう弾くか、聴き逃せないパリ公演だ。(真)
30日11h開演(自由席)。30€/15€ (26歳未満)/無料 (9歳未満)。
ビデオが埋め込められないのでリンク : https://www.youtube.com/watch?v=1FQSZkMuIDA
Théâtre des Champs-Elysées
Adresse : 15 av.Montaigne, 75008 Paris , FranceTEL : 受付 : 01 49 52 50 50
アクセス : Alma Marceau
URL : https://www.theatrechampselysees.fr