Le premier débat de la primaire des écologistes
来春の大統領選に向けて、9月5日、エコロジー派の予備選候補者の第一回目のディベートが行われた。エコロジー派3党(カップ・エコロジー党、ジェネラシオン・エコロジー党、ユーロップ・エコロジー=緑の党)から5人が参加。この予備選で、エコロジー派からの大統領選候補を決める。第1回投票は9月16日から19日にかけて、第2回目の投票は9月25日から28日にかけてネット上で行われる。
16歳以上の市民なら誰でもエコロジー派予備選サイトから登録し、2ユーロ払えば投票が可能だ。9月5日のディベート時点では登録者が3万5千人だったのが、月曜朝は5万3千人に伸び、エコロジー派予備選における登録者最多記録となった。
この夏も、深刻な自然災害が国内外で起こり甚大な被害をもたらした。以前は左派の独占分野だったエコロジーは、左右関係なく社会全体、地球全体の緊急課題となり、フランスでも特に若い人たちが敏感になっている。2019年の欧州議会選と2020年の市町村議会選挙では、欧州エコロジー緑の塔(EELV)が大躍進。ディベートに参加したピオル氏は、2014年、主要都市初の緑の党の市長としてグルノーブル市長に就任し、2020年にはリヨン、ボルドー、ストラスブールなど主要都市の市長が緑の党になるなど、近年勢いづいている。
しかしながら全体を見ると、現時点の世論調査では、エコロジー派の候補の大統領選での得票率は8〜10%程度にとどまる。エコロジー派を含む左派には他にも、出馬宣言が待たれるイダルゴ現パリ市長(社会党)、共産党ファビアン・ルッセル、屈服しないフランスIF党のジャン=リュック・メランションなどがいる。共闘しなければ共倒れはほぼ確実だが、共闘する場合は誰が誰の応援にまわるのか。2017年は折衝がうまくいかずに左派は敗北を喫した。
次のディベートは民放LCI局で、9月8日20h45から。そして第1回投票の後9月22日、2回目の投票に臨むふたりの候補者のディベートが行われる。
ディベートに参加したのは左から:
デルフィーヌ・バト(48)
ドゥ・セーヴル県の議員を経て、オランド社会党政権で司法大臣付副大臣(ほぼ1ヵ月)、環境大臣をほぼ1年間務めたが離党。現在「ジェネラシオン・エコロジー」党首。高校時代から人種差別反対運動や、組合運動を開始。この予備選では「(経済)不成長」をキーワードに、消費社会からの脱却、それによる生活の質の向上をめざす。イスラム女性のスカーフ着用には反対。
ジャン=マルク・グヴェルナトーリ(62)
ニース市議会議員、Cap Ecologieの共同党首(もうひとりはコリーヌ・ルパージュ)。他の4人が左派なのに対し「中道」を謳い、中道のみが左右エコロジー派をまとめられると主張。予備選の結果によっては「勝者を必ずしも応援しない」として他の候補者一線を画す。「ライシテ」に関しては「宗教の冒涜」「風刺画」などを含む表現の自由を取り締まる方針である点でも、他4人と異なる。
エリック・ピオル(48)
EELV党員。2014年からグルノーブル市長。市政においては屋外の広告パネルを減らし、自転車レーンの拡充なども行う反面、高速道路の通過を許可したり、大型ショッピングセンター誘致など「左派でも右寄り」と位置付ける声もある。HPのエンジニア出身。
ヤニック・ジャド(54)
EELV党員、2009年から欧州議会議員。現時点で5人のうち知名度が一番高い。2017年の大統領選に出馬したが社会党アモン候補の応援にまわり敗北。中道の「マクロン寄り」「社会党寄り」などのレッテルも貼られる。
サンドリーヌ・ルソー (49)
経済学者、リール大学副学長。EELV党員でスポークスマン経験がある。#metoo以前に男性党員からのセクハラを告発したことで、党内の被害者が10人ほど被害を訴えた結果その党員は辞任。波紋を呼んだ。人種、性別、障害者などあらゆる差別をなくし「権力と社会の構造を変えなければ、消費と生産も変わらない」とエコ・フェミニスムを掲げる。大統領に就任時は「月850ユーロのベーシック・インカムを導入」。同党でも穏健を感じさせるジャド、ピオル両候補より、左派でも左の立場を明確に表明。