Angèle “Brol”
2019年カンヌ映画祭の開会式で、アンジェルは「je suis une maison vide sans toi♪~(あなたのいない私は空き家のよう…)」と歌いだす*。アニエス・ヴァルダの名作『5時から7時までのクレオ』の中で、主人公が歌うミシェル・ルグランの名曲だ。同年1月に亡くなったルグラン、3月に亡くなったヴァルダに語りかけるような歌声が、静まりかえった会場に流れていく。
1995年ベルギー生まれのアンジェル。歌手の父に後押しされ、10代からカフェで歌いはじめる。最初のビデオクリップ『La Loi de Murphy』で注目され、2018年8月に初アルバム『Brol(Bordel めっちゃくちゃ)』をリリースし、フランスでもたちまち50万枚を売り上げスターの座に。セクハラをとり上げた『Balance Ton Quoi』**のビデオクリップでは、あどけなさが残る美しい顔を武器に、エレクトロをバックに、明るく軽やかな声で、したたかなユーモアたっぷり。彼女が苦しむ耳鳴りを歌った『J’entends』も気に入っている。(真)
Angele VI Records/15€前後
6月末からアルビやニームなどのフェスティバルに参加:
www.infoconcert.com/spectacles/les-plus-consultes.html