Helena Rubinstein – La collection de Madame
高級化粧品ブランド「ヘレナ・ルビンスタイン」の創始者、ヘレナ・ルビンスタイン(1870/72?-1965)は、アフリカ美術の収集家としても有名だった。彼女の死後に散逸したコレクションを再現したのがこの展覧会だ。美容のプロだけあって、彫刻を購入する時も作品の顔や体の美しさにこだわった。複雑な髪型の頭像や豊かな胸を強調した女性像がその一例だ。けれども何より面白いのは、映画のような彼女の人生。ポーランドの貧しいユダヤ人家庭に生まれ、単身オーストラリアに渡った。そこで美容サロンを開き、売り出した美容クリームが大当たりして成功への道が開けた。名前を変え、年齢と学歴を詐称し、マーケティングのうまさと商才で上流社会に顧客を得て、パリ、ロンドン、ニューヨークに進出。旅にはお気に入りのアフリカ彫刻を持って行った。詩人コクトーから「美の女帝」と呼ばれ、一代で化粧品帝国を築いたルビンスタインにとって、所蔵品には繁栄のためのお守り的な役割があったのかもしれない。9月27日まで(羽)
Musée du Quai Branly – Jacques Chirac
Adresse : 37 Quai Branly, 75007 Paris火〜日 10h30-19h 月休 12€/9€