オヴニー5月1日号は、社会ラボ、そしてこのコーナーも、今回は「ぬりえ」がテーマ。昨今、こどもから大人、そして高齢者にまで、精神安定をもたらす、リラックスできる、集中力が増す、ボケ防止…などと様々な効用が謳われ、もてはやされているぬりえ。
Coloriageとネットで検索すれば、いかにも子どもが好きそうなキャラクターやお姫さま、擬人化された動物など無料でダウンロードできるものがたくさん出てくるのだが、どうせなら一緒に遊ぶオトナも好奇心が刺激され楽しめるものがいい!ということで、おすすめをいくつか。
まずは話題の展覧会が次々と開催されるグラン・パレのサイトへ。過去の展覧会ごとに作品がぬりえとして提案されている。オヴニーも紹介した「抽象の先駆者、クプカ」展からは、クプカの作品「ニュートンのディスク」のぬりえ。原作を見本に同じ色に塗れば、彼の色彩感覚に迫れそうだし、別の色で別作品にしてしまうのも楽しい。錯視を利用したオプ・アートが並んだDynamo展からはフリオ・レ・パルク作品のぬりえ。具象が好きなら北斎、セザンヌ、ゴーギャン…など、巨匠の作品のぬりえもある。
カルティエ財団は2009年からぬりえを提供。やはりオヴニーで紹介した「Nous les arbres」展で作品が展示されていた老植物学者フランシス・アレが描いた木々のぬりえは森林浴効果までありそうだし、財団の建物を設計したジャン・ヌーヴェルがその建物をテーマに作ったぬりえもある(下の写真)。ガラスを多用した建物の透明感、ボリュームをいかに色鉛筆で表現するのか!?ぬりえの展示場に、自分の作品を描き込むスペースもある!どうしよう…と、大人が熱中してしまう。(六)
■ ぬり絵がダウンロードできるサイト
・グラン・パレ
www.grandpalais.fr/fr/article/coloriages
・カルティエ財団
www.fondationcartier.com/projets-en-ligne/carnets-de-coloriage-1
・パリ市立ミュージアム
http://www.parismusees.paris.fr/sites/default/files/medias/fichiers/2020-04/coloriage-paris_musees.pdf