リール郊外のルーベ市で、珍しいメキシコ現代テキスタイルアート展を開催中だ。場所は紡績工場の建物を美術館にした「マニュファクチュール」。12月1日まで続くリールのメキシコ関連イベントの一環だ。写真家アドリアナ・エドブルグは、自作の編み物が登場する場面を演出して撮る。毛糸を竜巻に見立てて女性たちが扱う場面にはシュルレアリスム的な雰囲気があり、メキシコに移住したシュルレアリスムの画家、レオノーラ・キャリントンを思わせる。フランドル派の静物画を模したシリーズでは、編み物で作った食べ物がユーモラスだが、そばにある武器が不気味だ。彫刻や刺繍をするモニカ・イツリバリアは、政府と密売業者の麻薬密輸戦争で兄弟が殺された後、白いハンカチに麻薬事件の記事を印刷し、刺繍を施す作品を作り始めた。平和を求める政治的な作品だ。麻薬密輸戦争の終結を求め、犠牲者を記憶するために始まった市民運動 「平和のための刺繍」の作品も展示。(羽) 6月30日まで。
La Manufacture
Adresse : 29 av.Julien Lagache, 59100 Roubaix火〜日 14-18h 入場無料