豚の肩ロースと今が旬の新ニンジンを煮込んでみた。

Sauté de porc aux carottes nouvelles

 3月15日号で、牛肉の中でも一番安いあばら肉を使ったレシピを書いたけれど、ほかにも安上がりな肉料理はないかしら、という読者のために、キロ10€前後の豚肉の肩ロースéchineとニンジンの煮込みを紹介したい。肩ロースはかたまりのまま買い求め、骨をはずしてもらい、大きめの角切りにする。

 ニンジンは、今どき八百屋に出回っている葉つきの新ニンジンを使えば、その柔らかな甘みが豚肉の味を引き立てる。切り落とした葉はスープに使うことにして(下のコラム参照)、皮をむき1センチほどの厚さに輪切り。マッシュルームは丸ごとか大きいものは二つか三つに切り分ける。玉ネギは薄切り、ニンニクはみじんに切る。

 ココット鍋にオリーブ油をとり、軽く塩、コショウを振っておいた豚肉を中強火で炒める。木のへらで混ぜ合わせながら、軽く焼き色がついてきたら中火にし、玉ネギとニンニクを加える。玉ネギが透明になってきたらニンジンを加え、しばらく炒めてから小麦粉を振りかけて混ぜ合わせ、1分ほどたったら水かチキンのブイヨンをひたひたになるように注ぐ。丁寧に混ぜ合わせる。ここへ緑の種抜きオリーブも入れ、濃縮トマトも溶け込ませ、再沸騰してきたら弱火にする。ローリエの葉1枚と、好みではクミンパウダーを隠し味程度に加え、軽く塩、コショウ。ふたをして1時間半ほど煮込んでいく。煮上がる30分ほど前にマッシュルームを加える。

 肉がすっかり柔らかくなっているだろう。煮汁が多いようなら、ふたをとって煮詰めてとろりとさせたい。豚肉のうまみをたっぷり吸ったニンジンのおいしいこと! 付け合わせは、フォークでつぶせるほどに柔らかくゆで上げたジャガイモがおすすめだ。この家庭料理を代表する一品、少し多めに作れば、温め直してもうまいし、カレーペーストを加えれば、たちまちポークカレーに変貌。ワインは気の置けないコット・デュ・ローヌの赤がいい。(真)

4人分:豚の肩ロースのかたまり700g、新ニンジン半束ほど、マッシュルーム250g、玉ネギ1個、ニンニク2片、種抜き緑のオリーブ適量、チキンのブイヨン、濃縮トマト大さじ2杯、小麦粉大さじ1杯、ローリエの葉1枚、油、塩、コショウ

Carotte nouvelle

 葉つきのまま束ねてある新ニンジン、その葉がシャキッとしていてしおれていないものを選びたい。まず葉を切り落とすのだが、葉を捨ててはいけない。おいしいスープになるからだ(下のコラム参照)。皮をむいてから生のまま細長くおろしてヴィネグレットソースで和えれば、フランス人が大好きなアントレ、キャロット・ラペだけれど、新ニンジンで作ればそのうまさが違う。きざんだパセリをたっぷり混ぜ入れて旬の味を楽しみたい。
 
その柔らかな風味はキャロット・グラセcarottes glacéesにもいい。葉を2センチほど残して皮をむく。丸ごとあるいは二つに切り分け、太いものは縦に二つに切り分け、多めのバターで炒めてから砂糖少々を振りかけ、少量の水を加え、軽く塩、コショウ。照りが出るよう煮ていけば、そのままアントレにもなるし、鶏肉のローストなどの春らしい付け合わせにもなる。

Soupe aux fanes de carottes

 深めの鍋にバターをとり、みじんに切った玉ネギとニンニクをさっと炒め、水1リットル半を注ぎ、チキンのブイヨンキューブを2個加える。皮をむいて小さく切ったジャガイモとニンジンを加える。ニンジンの葉はよく洗ってから、2分ほど下ゆでしてよく水気をしぼり、小さく切り分けてブイヨンに加える。20分ほどでジャガイモが柔らかくなったらハンドミキサーでなめらかなクリーム状にする。たっぷり液状生クリームを加えて混ぜ合わせ、塩、コショウで味を調え、再沸騰してきたらでき上がり。

4人分:ニンジンの葉半束分、ジャガイモ3個、ニンジン1本、玉ネギ1個、ニンニク1片、ブイヨン、液状生クリーム半カップ、バター、塩、コショウ

Sauté

 動詞のsauterは、フライパンなどを使って炒める、ソテーするということで、sauter les côtes de porc avec l’oignon なら、玉ネギといっしょに豚のロースを炒めるという意味になる。名詞のsautéは、今回のレシピのように、切り分けた肉を炒めてから、ブイヨンなどを注いで煮込んだ料理のことで、煮詰まった煮汁がソースとなる。たとえば、トマトと白ワインが入る子牛の煮込み、マレンゴ風sauté de veau Marengoなどが代表的。


 

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