冬のパリの風物詩として近年注目されているのが、期間限定でオープンするスケートリンク。
ノエルの飾りつけが町を照らし、ショーウインドーの前に人だかりがするようになる頃、その白いリンクは現われる。グランパレの内部や、エッフェル塔のすそでは、子どもはもちろん、昔子どもだった人々びとまでが、童心に返って楽しげな声を響かせる。
今年初オープンしたのが、ヴァンセンヌの動物園内に設えられたスケートリンク。グランパレは2700平方メートルとフランス最大級の広さを誇っているけれど、こちらは200平方メートルと小ぢんまり。動物園という場所柄もあって、子どもを連れた家族連れの姿が多い。
オレンジのマフラーが決まっている3歳のアナトール君は、この日がスケート初体験。リンクに入るなり派手に転んで、チャコールグレーのコートに白く氷の跡がついた(子どもにはヘルメット着用が義務付けられているのも無理はない)。
それでも全くめげることなく、ちょっぴり興奮気味のパパにくっついて、氷の上を行ったり来たり。最後には、リンクの外から熱い視線を送るママンに手を振った。(さ)