ベルギー生まれの若手、ヴァイオリニストのロレンツォ・ガットとピアニストのジュリアン・リベールによるベートーヴェンのヴァイオリンソナタ集(2番、4番、9番)。
9番の『クロイツェル』を聴いてみよう。有名な第1楽章は遅めのテンポ、緊張感にやや欠けるかもしれないが、その分、音楽がのびやかに流れていく。二人の間の息づかいが感じられ、優しい光が差し込んでくるようだ。ほかの楽章でも新しいことをやろうというてらいはなく、グリュミオーとハスキルのアルバムを思わせる、優雅で自然な演奏となっている。(真)
Alpha /20€前後