運河に浮かぶブラッスリーは、実験室さながら。
「オーストラリアやアメリカにあるような、自家醸造ビールを賑やかな空間で飲めるレストラン・バーを作りたかった」と言う経営者のケネディーさんはオーストラリア人。19世紀築の穀物・ワイン庫を改装した天井が高く広い店内の一角で、醸造機器が蒸気を吹く。
定番はIPA「運河の平底船」、ラガー「冬の猿」、ダーク・エール「黒い獣」、シーズン「肉体の冠」、ペール・エール「雌鹿の目」など。その多くがモルト煮沸時か発酵時にフレッシュホップを入れた、爽やかなホップ香あふれるものだ。
「世界の名ビールには、アクシデントによって生まれたものが多い」と冒険心旺盛に500ℓ規模で実験を繰り返す。モルトもホップも5、6種類ブレンドしたり、カボチャ、マンゴーなど旬の食材で季節のビールを作り、毎週2〜3種類の新ビールをメニューに加える。常に自家製を生で10種類提供できるのはパリで最多だ。エクスプレッソ・コーヒーIPAや、スモーク・モルトのビールなども作る。
「今はビールもワインと同じようにニュアンスやボディ、味わいで選ぶ時代。世界中で、さまざまな素材で冒険がなされているよ」 。パイントグラスで飲む女性客が増えたのも、最近の傾向だという。つまみやピザ、バーガーなど食事も充実。去年オープンしたが拡張のため別の物件を探している。
■ Paname Brewing Company
41 bis quai de la Loire 19e
www.panamebrewingcompany.com/fr