アンドレ・マルロー美術館。
再建地区を離れ、市場からさらに南に行った港の入口の海辺に、ギィ ・ラニョーなど4人の建築家とジャン・プルーヴェなどの技術者の協力で、1961年に造られたMuMa(アンドレ・マルロー近代美術館)がある。地元出身のブーダンやモネ、デュフィの作品が、海を見渡す明るい館内に並んでいる。印象派コレクションではオルセーに次ぐ規模です。
DOCKS地区へ。
駅の南、いくつもの船溜まり(bassin)があるル・アーヴル港の奥の地域には、使われなくなった古い倉庫が数多く残されている。駅のすぐ南のバッサン・ヴォーバンの対岸にある「Docks Vauban」は、19世紀の倉庫群を改装しショ ッピング・モールとして再生したもの。かつてはコットンやコーヒー、香料であふれていたレンガとガラス屋根の建物が2009年に改装され、シネコンやカフェなどを含む広大なブティック街になっている。
改装を担当した建築家ベルナール・レイシェンは、パリ、ラ ・ ヴィレットのグランド・ホールや、リヨンのトニー・ガルニエ・ホールなどの改装で知られる再生のスペシャリストです。
周囲を船溜まりや水路に囲まれたさらに南の高台には、パリ政治学院(通称 Sciences-Po)の分校や大型アパルトマンが次々新設されている。
2008年に港を見下ろす場所に造られた 「Les Bains des Docks」は、ジャン・ヌーヴェルが設計した複合プール施設。浴場を意味するバン(bain)を名乗っているのは、屋外の50mプールのほか、子ども用、家族用、リハビリ用、老人や妊婦用などいくつものプールに加え、ハマムやサウナもあるから。古代ローマ浴場から発想したという、まるでスーパー・スーパー・スパです。
5000㎡の室内は、壁も天井も白を基調にしたタイルで覆われ、自然光と人工光が見事にミックスされている。いろんな人たちがそれぞれの場所で水浴を楽しんでいる。ジャン・ヌーヴェルもやるじゃん、です。安価な入場料(2€/4.90€)もいい。
倉庫が使われなくなったのはコンテナが普及したため。ル・アーヴルのコンテナの扱い数は、マルセイユを超えている。
より東の水路の上の高台に、コンテナを利用した学生宿舎がある。広さ25平方メートルのコンテナにキッチンやシャワー、トイレなどを設置、窓やテラスも付け、100個を積み上げたもの。「Cité A Docks」と名付けられたコンテナハウス、防音には問題あるけれど、月305ユーロの家賃で好評です。
カウリスマキの映画で、母のいるイギリスに渡るつもりでガボンから密航してきた少年が匿われていたのは、コンテナ学生宿舎のすぐ下の水路の周辺だったという。残念ながら激しい雨になって、この辺りをぶらつくことができなかったのが心残り。
でも、ル・アーヴルの街は、ここなら住んでもいいかなと思うくらい、いいところでした。
● パリからの行き方
パリ・サン・ラザール駅からル・アーヴル行き急行で約2時間。
● ル・アーヴル観光案内所
186 bd Clemenceau 76600 Le Havre
トラム終点 la plageそばにある。
アパルトマン・テモワン、市庁舎展望台などの予約もできる。 02.3274.0404
毎日 9h30-13h / 14h-19h(11月~3月は10h-12h30 / 14h-18h まで、月曜は午後のみ)
www.lehavretourisme.com
● 文化遺産の家、アトリエ・ペレ
La Maison du Patrimoine – Atelier Perret
181 rue de Paris 02.3522.3122
10h30~12h30 / 13h30~18h30
(11月~3月は13h45-18h30)
● ル・ヴォルカン
8 place Niemeyer
02.3519.1010 www.levolcan.fr
● アンドレ・マルロー近代美術館
Le Musée d’art moderne André Malraux
2 bd Clemenceau 02.3519.6262
www.muma-lehavre.fr
11h~18h、土日は19hまで。
火曜、1/1、5/1、11/11、12/25休。10/6€。
● レ・バン・デ・ドック
Les Bains des Docks Quai de la Réunion
02.3279.2955 www.vert-marine.com
月〜木 10h-20h (金〜日、祝日は22hまで)
●コンテナ学生宿舎
La Cité A’Docksの場所
37 rue des Chargeurs Réunis (Bassin Vétillartの北側)