去る4月14日、カンヌ映画祭総合ディレクターのティエリー・フレモーと就任2年目の会長ピエール・レスキュールが記者会見を開いた。会見直前には短期契約労働者
”アンテルミタン”が舞台前に陣取り、労働法改正案の反対を訴える異色の幕開けに。
事務局が鑑賞したのは1869本。うち公式招待作品として選ばれた長編は世界28カ国の49本で、さらにその中の20本がコンペ作品として頂点のパルムドールに挑む。フランス勢はオリヴィエ・アサイヤス、ブリュノ・デュモン、アラン・ギロディ、ニコール・ガルシアの4作、アメリカ勢はジム・ジャームッシュ、ジェフ・ニコルズ、ショーン・ペンの3作と多め。ペドロ・アルモドバル、ダルデンヌ兄弟、ケン・ローチなど常連も健在。ケベックのグザヴィエ・ドラン、デンマークのニコラス・ウィンディング・レフン、フィリピンのブリランテ・メンドーサなど今が旬の監督も台風の目となりそう。ハリウッドから帰還しヨーロッパで活動するポール・バーホーベンの新作もなんだか気になる。 一方先のベネチア、ベルリンに続き、カンヌでもコンペに邦画はゼロ。だがコンペの二軍・ある視点部門には、是枝裕和監督の『海よりもまだ深く』、深田晃司監督の『淵に立つ』が選ばれた。また同部門のステファニー・ディ・ジュースト初監督作『LA DANSEUSE』は、ジョニー・デップとバネッサ・パラディの実娘リリー= ローズ・デップの出演が話題だ。
映画祭は5月11日~22日。審査委員長は昨年 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の成功で時の人となったジョージ・ミラー。開幕作品はウディ・アレンの『Cafe Society』。後日追加の招待作品発表の可能性も大。(瑞)