ヴィクトール・バルタールによって1868年に設計されたスクレタン常設市場が改装され、新しく生まれ変わった。そのなかに、NYタイムスが〈世界一の肉職人〉と称した食肉界のスーパースター、ユーゴ・デノワイエ氏がオープンしたレストランがある。座席には牛の毛皮を配したりとオリジナリティある内装なのだが、元常設市場とあって天井が高く、広々としていてなかなか居心地がいい。
前菜+メイン、もしくは、メイン+デザートで22€のランチがお値打ち。前菜は自家製パテ、ラルドンのサラダ、〈本日のポタージュ〉から、そしてメインは〈本日のサプライズステーキ(+6€)〉、タルタルステーキ、〈本日のバーガー〉、〈本日の煮込み〉から選択できる。ランチでとったポタージュもタルタルもとてもおいしかったが、周りを見渡すと、フォー・フィレやコート・ド・ブッフをシェアしている人が多く、とてもおいしそうだったので、友人を誘い再来店。先日はなかったジゴ・ダニョー(仔羊のモモ肉、52€/2人前)をメニューに見つけ即決!多くの人は、メニューにある小皿料理〈Bouchées〉から、ブーダンのポワレや豚足のパネ、牛の尾の春巻などを前菜として選んでいるのだが、肉料理には必ず野菜とピュレがたっぷりと添えられることもあり、今回はパス。ワインはグラスでFitou(6€)とCôtes du Rhône(7€)を選んだ。
仔羊のジゴは、グリルを想像していたが、じつはコンフィだったのでココット鍋で登場。ほろほろっとくずれるほどよく煮込まれている。仔羊のぎゅっと詰まったような肉の味と、エシャロットの甘みとのバランスもいい。肉汁をたっぷり含んだセロリのピュレがとてもなめらかで抜群の旨さ。無駄を防ぐため、付け合わせはすべて少なめなので、おかわりする人が多いのもうなずける。パネと黄色のカブ、ブールドールのソテーは、オレンジ汁で煮含めてあるのか、とても爽やかな食感だった。
スタッフもにこやかで感じが良く、メニューに書かれている、〈食べきれない場合はぜひドギーバッグをご依頼下さい〉という姿勢もあっぱれ。次回は大の肉好きのあの人を誘ってまた来ようと友人と話がまとまった。(里)
Table d'Hugo Desnoyer
Adresse : 33 avenue Secrétan, 75019 Paris , FranceTEL : 01.4005.1079
アクセス : M° Jaurès/ Bolivar
火~土 12h-15h/19h-0h、日月休