「必要なのは悲観よりむしろ楽観」 ドミニク・モル監督 記者会見

Des nouvelles de la planète Mars

balade07 ドミニク・モルは2000年度のセザール賞を総ナメにした『ハリー、見知らぬ友人』の監督。彼の便りをしばらく聞かないと思っていたら、このたび素晴らしい新作をひっさげ、自身の健在ぶりをアピール。主演俳優らとともにベルリン映画祭の会見に颯爽(さっそう)と登壇した。

主人公はシステムエンジニアの優男フィリップ・マルス(フランソワ・ダミアン)。なぜか彼の周りには猪突猛進タイプが揃う。厳格なベジタリアンの息子、成功に取り憑(つ)かれたガリ勉の娘、愛を追い求める同僚ジェローム(ヴァンサン・マケーニュ)に、動物愛護に余念がない、その恋人候補クロエ…。とりわけ出刃包丁を鞄に忍ばせる情緒不安定なジェロームは、フィリップの世界をかき乱してゆく。『ハリー、見知らぬ友人』にも似た“巻き込まれ型コメディ”が展開するのだ。

しかし本作は下品なドタバタコメディに陥らない。現実と非日常を往来しながら、どこか甘美な雰囲気さえ漂わせる。「映画に幻想的な要素を付加したくて、死んだ両親を登場させました。彼らはいつも手をつなぎ幸せそう。将来に対する信頼感をフィリップに与え、価値観を中和させる存在です」。その姿は大いにオプティミスト。今必要なのは悲観よりもむしろ楽観なのだと監督は説いているようだ。「実際、今はシリア問題やテロの脅威など原因が見えぬ難題に囲まれています。でもかつてアメリカは大恐慌や全体主義の脅威で、すべてを諦めてもよいほどの状況にありましたが、ルーズベルトはナイーブなまでのオプティミズムで状況を改善させました」。非コンペ部門で参加した公式上映では、笑いと喝采で会場が揺れた。3月9日劇場公開。(瑞)


 

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