2015-16年の「フランスにおける韓国年」を記念し、ギメ美術館では、伝統美術から現代作家まで、朝鮮芸術の多彩さを見せる展覧会が開催されている。
本館地下の「紙の虎・5世紀にわたる朝鮮絵画Tigres de papier, cinq siècles de peinture en Corée」は、家具装飾、屏風、仏教画、肖像画、風景画などで李氏朝鮮(1392-1910)時代の美術をふんだんに見せている。さまざまなモチーフの中で特に面白いのが、動物をテーマにしたものだ。夫婦円満を願って新婚夫婦に贈られた絵には、何種類ものつがいの動物が描かれている。技巧的でありながら、おっとりした感じでユーモアがあり、見ているだけであたたかい気持ちになる。
本館最上階では、在仏現代作家のリー・バエ(1956-)が、炭を紐で縛った彫刻に絵画を合わせたインスタレーションを行っている。一角では作家の故郷の火の儀式のビデオが放映されている。
炭の置かれた高い丸天井のスペースが火の山であるような錯覚を起こさせる、象徴的な展覧会になった。
別館では、現代テキスタイルデザイナーのインソク・ソンが伝統刺繍技術を駆使して作った、美しい韓国伝統衣装と装飾品を展示中。(羽)
ギメ東洋美術館 6 place d’Iéna 16e 火休
Tigres de papier, cinq siècles de peinture
en Corée 2月22日まで
Carte blanche à Lee Bae 12月5日まで
別館 Galeries du Panthéon bouddhique :
19, avenue d’Iéna 16e 火休
Intérieur coréen,
œuvres de In-Sook Son 3月14日まで
画像:Tigre avec ses trois petits
Dynastie Choson (1392-1910), 18e-19e siècle
Couleurs sur papier
MNAAG, 1999, MA 6371
© RMN-Grand Palais (Musée Guimet, Paris)
Thierry Ollivier