Cassoulet
フランス南西部を代表する料理カスレは、さまざまな肉が入り、最後にはオーブンで焼いたりと、手順も多く時間もかかる。材料費もばかにできない。そこで、肉はカモのもも肉の脂漬けconfit de canardとソシス・ド・トゥールーズにして、オーブンで焼く手間も省いた簡便カスレです。
まず白インゲン。さっと洗ったら、大鍋で20分ほどゆでてからザルにとる。この豆を鍋にとり、豆より3〜4センチ上の高さまで熱湯を入れる。皮をむいて半分に切ったニンジン、丁字を2本刺した玉ネギ、ブーケ・ガルニを加え、沸騰したらふたをして、弱火で1時間半から2時間ほどことことと煮ていく。豆が柔らかくなりかけてきたころに、軽く塩とコショウで味をつける。水のかさが減りすぎるようだったら、途中で沸騰している熱湯を足す。煮る時間は豆が新しいかどうか、大きいかどうかで変わるので、中身は柔らかくなっているが、皮にはまだ弾力が残っている、というのがちょうどよい煮加減です。ザルにとる。
豆を煮ている間にソシス・ド・トゥールーズを焼く。まずフォークの先でソーセージをまんべんなく突っついてから、フライパンに薄く油を敷いて、弱火で焼いていく。ジュージューと突っついた穴から脂が出てくるだろう。全体に軽く焼き色がついたらとり出し、三つくらいに切り分ける。カモのもも肉は鍋にとって脂が溶けるまで弱火で煮ておく。
白インゲンをココット鍋にとり、水をひたひたに入れ、少量の水で溶いた小麦粉、鶏のブイヨンキューブを一個加える。中火にかけ沸騰してきたら、濃縮トマト、押しつぶしたニンニクを入れ、コショウを多めに挽き入れる。カモのもも肉、ソーセージも加える。鍋に残っているカモのもも肉の脂少々も入れて混ぜ合わせる。今度は弱火で15分ほど火を通す。ソーセージやカモのうま味を吸った白インゲンのおいしさ!
ワインは、こくのあるカオールの赤がおすすめだ。(真)
【4人分】
カモのもも肉4本、ソシス・ド・トゥールーズ2本、乾燥白インゲン500g、ニンジン1本、玉ネギ1個、丁字2本、ブーケ・ガルニ、濃縮トマト大さじ2杯、ニンニク一片、小麦粉大さじ1杯、鶏のブイヨンキューブ1個、油、塩、コショウ。
Saucisse de Toulouse
豚肉を挽いたり、小さく切ったものに味付けして腸に詰めたのがソシス・ド・トゥールーズだ。セージなどのハーブ入りだったりすることもある。トゥールーズという名前が付いているが、フランス中どの肉屋にも並んでいる、なじみのソーセージ。直径4センチ、長さ20センチくらいの大きさだ。中の脂がとけ出るように、何か所か皮をフォークで突っついてから、ごく弱火で、まんべんなく焼き色が付くように炒める。付け合わせはマッシュポテト。
Haricots au poireau et céleri
長ネギ1本分の白い部分、セロリの茎1本、玉ネギ1個を小さく切り分ける。鍋にバターをとって弱火にかけ、長ネギ、セロリ、玉ネギを色が付かないようにしばらく炒め、軽く塩、コショウ。トマト2個を湯むきしてさいの目に切ったもの、つぶしたニンニク1片、タイム1枝を加えて15分火を通し、ゆでておいた白インゲン、たとえば600グラムを入れる。塩、コショウで味を調え、3分混ぜ合わせていけばでき上がり。きざんだパセリを散らす。豚肉や子羊肉のローストなどの付け合わせに最適。