ラブストーリーのその先へ

『岸辺の旅』 黒沢清監督インタビュー

cinema先のカンヌ映画祭で、ある視点部門の監督賞を受賞!誰もが「黒沢の代表作の誕生」と思ったが、そう思わされるのはこれで何度目だろう。全盛期が途切れぬ鬼才の最新作が、日本とほぼ同時公開で上映中だ。パリ滞在中の監督をつかまえ話を伺った。

「死者と旅をする」という、奇妙な原作の設定のどこに惹かれましたか。
死んだ夫が戻るという設定は他でもありますが、原作小説で驚いたのは、妻が未来に向かって死んだ夫と新しいものに接してゆくこと。奇想天外ですが、リアリティさえ感じました。私もこの年になると近しい人が亡くなります。未来にとっても、死者は重要な存在だと気づく年齢になりました。

監督から見て主演の浅野忠信さん、深津絵里さんの魅力はどんなところでしょう。
ふたりは電車やスーパーなどありふれた庶民の中にいても不思議はない、と同時に別のシーンでは選ばれた神話の人物のようにもなる。そんな極端な両面を自然に持っているのが、ふたりの最大の魅力でした。

監督には珍しい究極のラブストーリーです。
「このようにしてふたりは愛し合った」というのがラブストーリーなら、今回はその少し先の話。愛し合ったふたりは愛を持続したいのですが、難しい状況も出てくる。それを乗り越えれば永遠に至るかもしれない。最後は生も死も手にかけたところで終わる、そんな物語をやりたいと思いました。

もはや第二の故郷でもあるようなフランスで、好きな場所や食べ物はありますか。
ゆっくり観光するのは難しいですが、キャンペーンや映画祭で国内はたくさん訪れました。ポーやストラスブールで食べた豚肉、ドーヴィルで食べた蟹、ナントで食べたカキがめちゃめちゃ美味しかったです。(瑞)


 

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