環境と健康
「エコ・オルガスム」の七戒。
Générations Cobayes [ジェネラシオン・コバイ]
18歳から35歳までの若者を対象に、身近なところから、実践を通して環境が健康に及ぼす影響を考えてもらう、啓蒙を目的とした市民団体。2008年に友人が20歳でガンで亡くなったことにショックを受けた学生たちが、環境中の有害物質に発ガン性があると知って、「自分たちは環境が汚染された社会のモルモットになりたくない」と呼びかけたのがきっかけだ。専門知識は環境と健康問題専門の市民団体から協力してもらい、大学や高校で無料のワークショップを開いたり、月に1度、夕方に誰でも来られる「アペロ」をカフェで開き、情報提供に努めている。
キーワードは、エコで気持ち良く暮らすこと。「エコ・オルガスム」という言葉を造り、「エコ・オルガスムの七戒」を提唱している。若者言葉で具体的な提案をしている点がいい。
環境中の内分泌かく乱物質には、石油由来のものが多い。石油が原料の製品を使えば、温室効果ガスが増える。「エコ・オルガスム」の提案は、この削減につながっている。「七戒」の中には、内分泌をかく乱するプラスチックを避けてガラス、木などを使う、がんを誘発する可能性があるナノ粒子を使った化粧品を止めて、ビオコスメのロゴのついた化粧品にする、遺伝子組み換え植物や石油由来の添加物入り食品を避けて、できるだけビオの食品を食べる、などがある。自家製化粧品の作り方も紹介している。
性生活で使う化学物質にも、タブーなく言及している。多くの潤滑剤には発がん性があり生殖機能の衰えをもたらす可能性があるノニフェノールやパラベンが使われているので、独自で製品を開発しているRFSU(スウェーデン性教育アソシエーション)のロゴがついたものを使おう、などがその一例だ。