シェフたちの人となりを感じる 温かいワインビストロ。

 コストパフォーマンスの良さでオヴニーの読者にはおなじみの店、プレヴェール。その経営に携わっていたフィリップさんとマルクさんのドラクルセル兄弟が、2年の沈黙を経て新しくオープンしたワインビストロ。日替わりの前菜とメイン、グラスワインとコーヒーがついて15.5€ のランチセットがあり、コスパの良さは健在だ。オープンキッチンの中で、彼ら兄弟がじつに楽しそうに働いている姿を眺めているだけでこちらも楽しくなってくる。
 本日のランチの前菜はナスのサラダ。ヒヨコ豆がたっぷり入っていてボリュームもなかなか。ぼやっとした味になりがちなナスのペーストが、ちょっぴりスパイシーでしっかり味付けされているあたりがシェフのフィリップさんらしいところ。
 本日のメイン料理のひとつ、鶏肉のパネは、からりと衣が香ばしく、爽やかなレモン風味のソースに混ざったケッパーの酸味がアクセントになっている。私が注文した本日の肉料理(2.5€追加)であるバベットステーキ(腹部肉)は、細かく刻んだショウガ入りのソースが素晴らしくおいしく、次回はア・ラ・カルトで肉料理をがっつり食べたいという気になった。
 ワインは、ソムリエであるマルクさんのお眼鏡にかなった個性豊かなものが、例えばグラスでなら1杯4€からとリーズナブルに提供されているし、フィリップさんの料理は、絶妙なスパイス使いと、日本での滞在経験を生かした、アジアの食材をうまく取り入れたフレンチは、我々日本人の舌にばっちり合うので色々試したくなる。
   陽気に働くシェフたちのお馴染みさんが多いのか、少々年配のお客さんたちも皆笑顔。流行の食材や調理法ばかりを追いかけるのではない、温かな気持ちになれるこんなレストランがもっともっと増えるといいなぁという気になってくる。
 ちなみにフィリップさんはブルゴーニュに新たにメゾンドットをオープンさせる予定で、ここヴィティスで働くのは年末までとのことなので、まずは早めに駆けつけるのが吉。(里)


Le Vitis

Adresse : 8 rue Falguière, 75015 paris
TEL : 01.4273.0702
火~土 12h-14h/19h30-22h 日月休