ブルターニュ地方というと魚やラングスティーヌといった海の幸を思い浮かべてしまうけれど、年中緑の牧草地で育った子羊の肉もすばらしい。このレシピは、テレビの番組で覚えて試してみたら、とってもおいしくできたものです。
別にブルターニュ産でなくてもいいから、子羊の肩肉を買ってくる。1キロくらいの小さめのもので4人分だ。買う時に、肉屋に肩甲骨をはずしてもらうと、調理後に切り分ける時にずいぶん楽になる。
玉ネギとニンニクは粗くみじん切りにする。小さめのジャガイモは皮をむく。セロリも加えたブーケ・ガルニも用意しておきたい。
肩肉にまんべんなくハチミツを塗りつけ、塩、コショウする。ココットのようなふたのできる厚鍋に、バターと油を半々にとるのだが、ブルターニュ風だからもちろん有塩バターです。油とバターが熱くなってきたら肩肉を入れて、きれいな焼き色がつくまで炒めていく。焼き色がついたら、玉ネギとニンニクを加え、しばらく火を通したらブーケ・ガルニを入れ、シードルとブイヨンを注ぐ。ブイヨンはインスタントのキューブで作ったもので構わないけれど、野菜かチキンのものがいいだろう。再沸騰したらふたをして弱火で25分煮込んでいく。
25分経ったらジャガイモを肩肉のまわりに丸ごと加え、もう一度ふたをして、ジャガイモが柔らかくなるまで20分ちょっとの
辛抱だ。
この間に、リンゴの皮をむき、芯をとり、1個を六つか八つに切り分ける。これをフライパンでバター炒めする。木のへらを使うよりも、フライパンを前後にゆり動かしながら、リンゴをひっくり返すようにすると、かたくずれしにくいものだ。軽く色が付いたら火から下ろしておく。
肩肉を適当に切り分け大皿の中央に盛り付け、ジャガイモとリンゴを脇に添えて食卓へ。飲み物は辛口のシードルか、ワインならシノンの赤はどうだろう。(真)
4人分 :
子羊の肩肉1kgくらいのもの、リンゴ4個、玉ネギ2個、ニンニク3片、小さめのジャガイモ400g、ハチミツ大さじ2杯、ブーケ・ガルニ、シードル400cc、ブイヨン100cc、バター、油、塩、コショウ
Epaule d’agneau
子羊の肩肉は、もも肉よりは脂が適度に混じりこんでいるから、今回のレシピのように厚鍋で煮込む時に適している。肉屋に骨ごとぶつ切りにしてもらい、プロヴァンス風に煮込むのもうまい。肩甲骨をとってもらって、ローズマリーやタイムの香りをきかせながら、オーブンで丸ごとローストするのもおすすめだ。
Cidre
シードルは、主にノルマンディー地方とブルターニュ地方で作られている。甘口cidre douxと辛口cidre brutに分けられるが、辛口の方が一般的にアルコール度が高い。料理に使ったり、ガレットというソバ粉のクレープと飲む時は辛口にしたい。「fermier 農家産」とことわってあるものは、生産者によってそれぞれ独特の味わいがあって楽しい。