葉っぱごと結わえてある新ニンジン(carottes nouvelles)が出回っている。日本のニンジンよりは柔らかい風味。これを使って、まずテンプラを作ってみたい。皮をむいてから、葉っぱの根元を少し残して、5ミリくらいの厚さに縦に切り分けて揚げる。新ニンジンの色合いがよく見えるように、軽めの衣で揚げた方がいい。こういうテンプラは、天つゆで食べるより、塩の華をさっと振って食べるほうが、野菜の本来の味や香りが生きる。その軽い甘味も浮き上がるようだ。
ニンジンの葉もみずみずしいから、一緒に揚げてみたい。水洗いしてから、キッチンペーパーや布巾で水気をよくぬぐってから揚げましょう。これもなかなかうまい。ちょうど出回っているグリーンピースや新ジャガ、エビのむき身などと一緒に、かき揚げにするのもおすすめだ。
次はきんぴら。とはいえ、フランスにはゴボウがないから、ニンジンきんぴらだ。和仏辞書をひくと、ゴボウはsalsifisとなっていたりするけれど、サルシフィは歯ごたえがないし土くさい味わいもない別物なのだ。マッチより少し大きいくらいに切り分けてから、ごま油でしばらく炒める。砂糖、しょう油、酒を加え、味がからみつくように炒めたら、唐辛子粉少々を振りかけ、ごまを散らす。
最後にニンジンの三杯酢。
ニンジンを7センチくらいの長さに切り分けてから千切りにする。塩を振ってしばらく置いてから手でよく絞り、三杯酢で和える。同じように下準備した新カブと半々にするのもおすすめです。好みでおろしニンニク少々を加えてもいい。(真)