現代好色一代男の裁判。

2月2日付リベラシオン紙。
2月2日付リベラシオン紙。
 江戸前期の草双紙、井原西鶴の『好色一代男』は、主人公の世之介が7歳で腰元に恋をし、性に目覚めてから60歳まで、従姉から遊女、私娼、後家、女中まで、遊里で放蕩しつくし、なんと3742人と寝て、小児性愛の相手は725人 !  
 現代の好色一代男と呼べるのは、ドミニク・ストロース=カーン(DSK : 66)前国際通貨基金IMF専務理事だろう。リール裁判所で2月2日から20日まで彼を含む集団売春斡旋容疑者14人に対する裁判が開かれた。容疑者らは建設業者や警視、弁護士、医師、リールの乱交の場カールトンホテルの幹部、ドド・ラソミュールというあだ名のブリュッセルの売春業者。彼らは90年代から「将来の大統領」と見込んだDSKに貢ぐように彼の性欲を充たす便宜を計る。12年5月、DSKによるNYソフィテルでの従業員ナフィサト・ディアロ暴行事件数日前にも、ワシントンのホテルに娼婦を連れていき放蕩・乱交の場を設けた。DSKは彼女らが売春婦とは知らなかったと証言。被告らや原告(売春婦2人)の証言はまるでポルノ場面に近い。「カバンに入れたもの」と呼ばれた娼婦2人はDSKの暴力的な長時間のアナルセックスについて涙ながら証言したが、ドドに支払われたのかDSKに対する追訴を撤回した。
 公判はポルノ紛いの法廷劇に終始しDSKの性癖を白日の下にさらした。フェーヴル検事長は「彼は乱交パーティの組織者でなく、売春で利益は得ていない、娼婦に金も払っていない」と、無罪放免を求めた。ドド・ラソミュールには重大売春斡旋罪で禁固2年(うち1年執行猶予)と罰金2万ユーロ、ラガルド警視に執行猶予付3カ月と罰金5千ユーロ。他の被告には罰金1000€〜1500€。判決は6月12日に下る。
 80年代から経済学教授、社会党幹部、経済相も務めたDSKの性依存症は党内でも知られていた。12年大統領選社会党候補と目され、サルコジ大統領も彼の性依存症を知っていたのか、政敵を遠ざけるため07年IMF専務理事に推した。翌年、IMFスタッフ、ピロスカ・ナギに性的暴行を働いたがIMFは彼への制裁を避けた。
 11年5月、世界的好奇の的となったのが、NYソフィテル事件。この訴訟は数百万㌦の損害賠償の和解で終る。同時期、03年に社会党員の娘バノンが取材中にDSKに強姦されかけたと告訴したが時効に。DSKは18歳で結婚して以来、離婚、再婚を繰り返し、最初の妻との子供も含め腹違いの子供は計5人。それでも政治記者アンヌ・サンクレールとの結婚生活は89年から12年まで23年続いた。その間、スワッピングなどを続け、13年カンヌ映画祭にはモロッコ生まれの新しい愛人ミリアム・ラウフィール(45)と参席。ソフィテル事件がDSKの政治家生命の息の根を止めたものの、IMF前専務理事のオーラは消えず、米スタンフォード大学で講演したり、ロシア、セルビア政府の財政顧問なども務め公私とも休むひまない。
 性依存症といえば、クリントン元米大統領が98年、秘書のモニカ・ルインスキーとの関係で弾劾裁判に及んだのを思い出す。セックス依存症の政治家はつらいだろうと思う。(君)

 

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