缶詰のツナを使ってタルトを焼いてみた。

 晩ごはんは何にしようかなと、冷蔵庫を開けてみたけれど、大したものが入ってない。けれど、棚には缶詰のツナがある。冷凍庫には、いつもながらに冷凍のホウレンソウが入っている。そう、タルトを作ることにしよう。パイ生地pâte briséeは市販のものを使うことにした。
 冷凍ホウレンソウは、〈en branches〉というきざんでないものだ。電子レンジを使って解凍し、パソワール(こし器)にとり、手で搾るようにしながら、水気をしっかりと切る。これをざくざくっと大まかに切り分ける。
 みじんに切ったエシャロットとニンニクを、オリーブ油で炒めていき、エシャロットが透き通ってきたらホウレンソウを加え、木のヘラでホウレンソウをほぐすようにしながら炒め、さらに水気を飛ばすようにする。ここへ、小さく切り分けた乾燥トマトと種を抜いてある緑のオリーブを加えてから、火を止める。
 缶詰のツナはくずになっているものでなく、〈entier〉という塊のままのものがほしい。油漬けだったら油、水煮だったら水気を切っておく。
 生クリームをボウルにとり、マスタードと割りほぐした卵を加え、泡立て器で丁寧に混ぜ合わせる。ここへ、レモンの搾り汁ときざんだコリアンダーの葉を入れ、塩、コショウで味を調え、ナツメグ少々をおろしながら加える。これでappareilと呼ばれるミックスのでき上がり。
 オーブンの目盛りを180度に合わせて点火。
 パイ生地を、バターを塗った26〜28センチの型に収め、はみ出た分はナイフで切り取り、底をフォークでまんべんなく突っつく。まずホウレンソウを、なるべく均一になるように広げたら、ツナの塊をほぐすようにしながら置いていく。あんまり小さくしない方がいい。ここへappareilを流し入れ、その上に、おろしチーズを振りかけて熱くなっているオーブンに入れる。40分から45分ほど焼いて、生地がきれいなキツネ色になったらでき上がりだ。(真)
4人分:缶詰のツナ300グラム、ホウレンソウ400g、エシャロット2個、ニンニク2片、乾燥トマト適量、おろしチーズ、種抜き緑オリーブ20個、バター少々、オリーブ油大さじ3杯
生クリームミックス:液状の生クリーム200cc、卵2個、マスタード小さじ1杯、レモン半個分の搾り汁、コリアンダー1/3束、ナツメグ少々、塩、コショウ

●ツナの缶詰
 ツナの缶詰は、なにかと便利なので、買い置きしておくといい。〈thon à l’huile〉という油漬けの缶詰と、〈thon au naturel〉という水煮の缶詰に分けられる。〈entier〉とことわってあるのは、今回のレシピに使ったもので、筒切り状態のものが塊のまま入っている。〈miettes〉というのは、くず状態のもので、安いけれど、味はかなり落ちる。
●ニース風サラダ
 ニース風と呼ばれるサラダにも、缶詰のツナが入ることが多い。ツナのほかに、小さく切り分けられたトマト、歯ごたえが残るようにゆで上げられたサヤインゲン、四つに切り分けられたゆで卵、アンチョビー、黒オリーブ(小さめのニース産のものならベスト)が欠かせない。あとは好みで、アルティショーの芯のところ、ゆでて皮をむいた新鮮なソラマメ、輪切りにしたキュウリやゆでたジャガイモ…など好みで加える。ドレッシングにはオリーブ油を使うこと。このサラダには油漬け、それも〈thon à l’huie d’olive〉というオリーブ油漬けがほしい。
●バスク風のオムレツ
 自分で勝手に「バスク風」と称して作るオムレツだ。といっても至極簡単。割りほぐした卵に、油漬けのツナをほぐしたもの、小さくさいの目に切ったバスク産生ハム、細く切った赤ピーマン、みじんに切った玉ネギ少々と、やはりみじんに切ったパセリを加える。塩、そしてコショウのかわりにエスプレット産の唐辛子の粉を振り入れて、焼くだけ。
●sauce tonnato
 ローストしたり、ブイヨンで煮た豚肉や子牛肉の塊を冷やしてから、薄く切ったものに、缶詰のツナをベースにしたソースを添えれば、イタリア風の豪華な冷菜だ。油漬けのツナ120〜140グラム、アンチョビー2枚、ケッパー大さじ2杯、レモンの搾り汁大さじ1杯、辛口の白ワイン大さじ1杯、市販の粉末のフォン・ド・ヴォー小さじ半杯を、均一になるまでミキサーにかけ、マヨネーズを好みの味と固さになるまで加える。マヨネーズは、せっかくのごちそうなんだから自家製です。


Tarte au thon。