牛肉の赤ワイン煮からセープ茸の香りが。

Bœuf bourguignon aux cèpes

 

 冷凍食品のチェーン店〈ピカール〉で、小さめのセープ茸の傘のところだけをパックしたものを見つけた(300グラムで6ユーロ)。試しに、ブッフ・ブルギニョンに入れてみたら…? 
 牛肉は、前々号でも使ったほお肉にした。安いし、脂が適度に混ざっているから柔らかく煮上がる。ほっぺ二つで1キロくらいだ。 
 まず、ほお肉に塩、コショウする。ココット鍋にオリーブ油をとって、二度に分けて、まんべんなく焼き色がつくように強火で炒める。油とラードを半々にすると、ソースにさらにコクが出る。焼き色が付いたら肉をとり出し、火を弱くし油少々を足し、みじんに切っておいた玉ネギを、肉のうま味を溶け込ませるようにしながら炒める。蔗糖を振りかけ、全体に濃いめに色がついたら肉を戻す。とろみがつくように小麦粉を振りかけ、よく混ぜ合わせてしばらく炒めたら、熱くしておいた赤ワインを注ぐ。塩とコショウで味を調え、濃縮トマト、1センチの厚さに輪切りにしたニンジン、皮付きのニンニク、丁字2本も入れたブーケ・ガルニを入れる。
 沸騰したら、弱火でまず1時間半ゆっくりと煮込むのだが、160度くらいのオーブンに入れ、ファンをきかせながら火を通していくと、底にくっつかないし、全体によく火がまわる。オーブンがなかったら弱火で煮込んでいくのだが、時々混ぜ合わせることを忘れないように。
 1時間半経ったら、ココット鍋を取り出すのだが、かなり重いので、気をつけること! ここでセープ茸を入れるのだが、解凍の必要はない。煮汁が少し煮詰まりすぎていたら、水少々を差してオーブンに戻し、もう1時間くらいの辛抱。煮上がる20分前になったら、ジャガイモの皮をむき、ゆで始める。
 ふたをとると、ぷーんとセープ茸の匂いが立ち昇る.とろりとしたチョコレート色の煮汁がみごとだ。肉も柔らかいし、セープ茸にも風味が残っている傑作です。ゆで上がったジャガと一緒に盛り付け、きざんだパセリを散らす。ワインは奮発してブルゴーニュの赤だ。(真) 
 
4人分:牛のほほ肉2つ、玉ネギ2個、ニンジン3本、ニンニク1片、コクのある赤ワイン1本、濃縮トマト大さじ1杯、小麦粉大さじ1杯、冷凍のセープ茸300g、ブーケ・ガルニ、ジャガイモ7、8個、オリーブ油、蔗糖cassonade小さじ1杯、塩、コショウ
 

●冷凍食品の野菜 légumes surgelés
 おいしい料理を作ろうと思ったら、市場に出かけて新鮮な食材を買うことが大切だけれど、時には、季節外の野菜を使いたくなったりする。あるいはちょっと時間がないから、少々手間を省きたい。そんな時には冷凍食品に頼ることになる。
 たとえばグリーンピース。シーズン外でも、ちょっと子牛肉の煮込みや子羊肉のカレーに加えたり、かき揚げに入れたくなることが多い。そこでわが家の、容量50リットルのちいさな冷凍庫に常備されている。小さいものよりは、「ガーデンピー」という大きめの方が、豆のうま味が残っている。新鮮なものよりは火が通りやすいので、煮込みに加える時も塩ゆでする時も、冷凍のまま加え、再沸騰してから2分も経たないうちに柔らかくなる。煮すぎると歯ごたえもなくなるし、味も落ちるので気をつけたい。
 冷凍のホウレンソウもなかなかうまい。
「haché」というごく細かなみじん切りにされたものと「en branches」という葉の形が残っているものがあるが、「en branches」がおすすめ。30〜50グラムくらいの塊に分けてあるので、少量使う時にも便利だ。ホウレンソウは固い茎をとったり、よく水洗いして土を除いたり、手間がかかるので、サケと一緒にタルトにする時など、ホウレンソウの季節であっても、冷凍に頼ったりする。これも常備品になっている。解凍したら、手でしぼって水気を切ってから使います。
 もう一つ手間がかからないから愛用しているのが、「oignons émincés   玉ネギのせん切り」。というのも、インド風のカレー、牛肉のビール煮などをよく作るのだが、こんな料理にはかなり大量の玉ネギのせん切りが必要だから、時間がない時に世話になっている。玉ネギとアンチョビーのタルト、ピサラディエールを作る時にも重宝する。いずれの場合も、まず玉ネギを炒めるのだが、解凍する必要はない。炒めているうちに自然に解凍され、水気もとんで焼き色がついてくる。
 以上が、ボクがよく使っている冷凍の野菜たちだ。あと、常備しているのは、小さな容器に入っている、アネット、コリアンダーなどのハーブ類だ。すでに細かなみじん切りになっているので、さまざまな料理の仕上げに振りかける。新鮮なハーブの香りには負けるけれど。