●生きた川、死んだ川
二筋の流路のうち、西(左)がおおむね自然の流れで、東(右)は水の利用のために造られた流路という。人工の流路は遅くても12世紀には使われていたらしい。前者を「死んだ川筋 bras mort」、後者を「生きている川筋bras vif」という。川筋の主な地点の歩道に埋め込まれた円盤にも、この文字が刻まれている。ニコラ・エデル通りがオピタル大通りに出た地点では、「bras unique」 になっている。
●ヴィクトリアン運河
サン・ジェルマン大通りのモベール広場近くからセーヌ河岸へ抜ける道はビエーヴル通り。故ミッテラン大統領が住んでいた通りである。これは11世紀に、2つの修道院が、ビエーヴルの水を敷地に引くために造った運河の名残り。我田引水です。水路は17世紀末に埋められている。
●ビーバー
bièvre はラテン語が語源でビーバーのこと。フランス語ではcastor(カストール)。この川にビーバーが棲息していたことからローマ人がそう呼んだらしい。1960年代に、アメリカから連れてきたビーバーを放ったことがあったけれど、失敗に終わったという。