Sandrine Kiberlain (1968-)

 ソバカスだらけでやせっぽち。赤毛でなく「金髪のアン」とでも呼びたいサンドリーヌ・キベルランは、今や映画界でおなじみの顔だ。祖父母はポーランド系ユダヤ人、父は会計士だった。12歳の時に林間学校で物真似をした体験が、俳優を志すきっかけに。1994年に『哀しみのスパイ』でセザール新人女優賞にノミネートされ、続く96年、『En avoir ou pas』でついに同賞を受賞した。おかげで主役オファーは増えたが、ヘビーな役柄が続き、女優業に行き詰まりを感じるようになる。ヴァンサン・ランドンと競演したブノワ・ジャコーの『Le Septième Ciel』出演後にランドンの子を出産し、一時映画から距離を置いた。
 2005年には作詞も手がけたアルバムで歌手デビュー。歌手経験を経て「自分がいかに女優かがわかった」と語る。近年は実生活で別れたランドンと、不倫の相手役で再会した『シャンボンの背中』、国民的ヒット作『屋根裏部屋のマリアたち』など、人間ドラマで手堅い演技を披露する一方で、『プチ・ニコラ』、『プレイヤー』とコメディも多数挑戦。アラン・レネの遺作『Aimer, Boire et Chanter』にも登場。昨年180万人のヒットを記録したコメディ『9 mois ferme』では、囚人の子を身ごもる判事に扮し、セザール最優秀主演女優賞を受賞、名実ともにトップ女優に。(瑞)