干ダラのコロッケは、ポルトガル料理の人気者。

 異国料理第3弾は、ポルトガル料理の干ダラのコロッケ、パステーシュ・ド・バッカロウ。外側はカリッと揚げられ、中はジャガイモがほくほく、干ダラの味が口の中に広がるうまさ!熱々を前菜でもいいし、ポルトガルでは冷えたものをおつまみにしたりもする。
 一度挑戦してみたことがあるのだが、揚げているうちにバラバラになってしまったという苦い思い出がある。今回は、その後、手に入れた素晴らしいレシピ本が助け。そのレシピには干ダラとジャガイモの分量が細かく書いてあるが、それだけ割合が微妙だということなのだろう。
 まず前日から干ダラの塩出し(右欄参照)。塩出しが終わったら、皮をむいた丸ごとのジャガイモと一緒に鍋にとって、全体がかぶるように水を張って軽く塩をし、中火にかける。沸騰したら弱火。ジャガイモが柔らかくなったら、干ダラも煮えている。ジャガイモはマッシャーやフォークでマッシュポテトに。干ダラは、皮と骨を丁寧にのぞいてから、手でもむようにしながらほぐしてから、1、2秒ブレンダーにかける。ほんの一瞬です。マッシュポテトと干ダラをボウルにとり、できるだけ細かくきざんだパセリ、さらにナツメグ適量を加える。まず卵の黄身だけを加えて混ぜ合わせたら、次に固めに泡立てた白身を静かに混ぜ入れる。最後に、塩とコショウで味を調える。スプーン2本を左右の手に持ち、このミックスをすくっては、スプーン同士押し付けるようにしながら、長さ5センチ、三面の紡錘形にし、クッキングペーパーの上に並べる。
 フライパンにたっぷり油をとる(レシピには「落下生油」と明記してある)。中火で十分に油が熱くなったら、マッシュポテトと干ダラのミックスをスプーンですくって入れていく。少し待って一面にきれいな焼き色がついてから引っくり返し、むらなく揚げる。油の温度が下がるとバラバラ死体になりやすいので、揚げるのは、一度にせいぜい4、5個ずつだ。油気を切って、レモンを添えればでき上がり。軽く発泡する白ワイン、ヴィーニョ・ヴェルデがほしい。(真)
干ダラ340グラム、charlotte種のような身の締まったジャガイモ550グラム、卵2個、パセリのみじん切り大さじ1杯、ナツメグ適量、落花生油huile d’arachide、塩、コショウ

●La Cuisine portugaise de tradition populaire
 今回のレシピで参考にしたポルトガル料理の名著。やはり干ダラにかなりのページが割かれていて、20近いレシピが並んでいる。最近は品切れになっているが、料理専門の本屋などで見つかったら必ず入手。
Le Guide des connaisseurs社刊。
●morue 
 北大西洋から北海にかけての深海に生息する真ダラcabillaudを干したものが、干ダラmorue(真ダラそのものを指す場合もある)。ポルトガル料理には欠かせない。16世紀からポルトガルの漁夫たちは、この海の宝を求めて、地中海や大西洋岸の港から「世界の果ての海」を目指して、数カ月に及ぶ厳しい漁に出かけて行った。以前は、2メートル近い100キロを超える真ダラもあったというが、最近は乱獲で、1メートルを超えるのがやっと、重さも10キロ前後と小型になっている。
 腹開きして塩をし、カチカチに干し上げると、半分くらいの嵩(かさ)になる。ポルトガル食材店では、いろいろな大きさの干ダラが並んでいるが、大きく身の厚いものほど値が張る。キロ10€〜15€。いくつかに切り分けてもらうこと。いくらでも日持ちがするが、かといって買ってきて日が経ちすぎると、さらに固くなり、煮た後でほぐす作業が難しくなる。頭に近い身の厚いところは、オーブンでローストしたりする時に使われ、尾に近い身の薄いところは、今回のレシピのように、ほぐしてから使う料理向きだ。
 干ダラはフランスでも、南仏ではサラダに入ったり、ニンニクやオリーブ油と練り合わされてブランダードというペーストになったりする。同じくブランダードという名前の、マッシュポテトで覆ったグラタンはレストランでも人気がある。カリブ海のマルチニークやグアドループの料理でも大切な食材だ。
●干ダラの塩出し
 大きな鍋に皮の方を上にして置き、たっぷりと水を張る。身の厚さ次第だが、12時間から24時間くらい。以前はもう少し時間がかかったが、最近は塩が控えめになってきているので、塩出し時間も短くなった。6時間に一回は水を取り替えたい。身の薄いところをかじってかすかに塩味がある、というのがちょうどいい塩出し加減だ。


Pastéis de bacalhau



 

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