なんともいえぬ幻想的な雰囲気

© Christophe Raynaud de Lage
© Christophe Raynaud de Lage
 ●Paris Quartier d’été
 私が初めてこのイベントを体験したのは1990年代の前半、パレロワイヤルに仮設された舞台でのダンス公演だった。内容は記憶の奥底に消えてしまったけれど、舞台の照明が映りこんだ空はほの明るくてなんともいえぬ幻想的な雰囲気を醸し出していた。その空の下を家まで歩いて帰ったことは今でも覚えている。
 今年のフェスティバルの特徴は、パリを少し出た郊外での公演が多くあること。パンタンのウルク運河のほとり、ジュヌヴィリエやオーベルヴィリエの公園など、新しい地区が会場として加えられている。演目では、私たちの生きる「今」の社会を反映するかのように携帯電話を使うパフォーマンス『Agoraphobia』(7/31-8/4)、石を積み上げるパフォーマンス『Freeze ! 』(7/30-8/9)、早朝6時からセーヌ河畔で繰り広げられるパフォーマンス『Horizon』(8/2-3)など。約30分という長さのこれらのパフォーマンスはすべて無料、散歩やジョギングの途中にふらっと立ち寄れるのがいい。
 とはいえやっぱり舞台も、という人は『Les clowns』へ。3人の道化師が繰り広げる小さな笑劇が3つ。 なにより私たち観客を喜ばせたのは、最後にシェイクスピアの『リア王』を道化師たちが演ずる部分。「さあ、これから『リア王』を演ずるぞ!」と本を手に張り切る道化師たちが繰り広げる場面の滑稽さといったら!  その反面、時々ベケットの『ゴドーを待ちながら』のような物悲しさや哀愁がただよい、アルレッティという名の女性道化師が、ジュリエッタ・マシーナの再来ではないかと思ったほど。(海)
フェスティバルは 8/11迄、プログラムの詳細はwww.quartierdete.comにて。
『Les Clowns』は8/3迄(20h30)。
Théâtre de la Cité Internationale  : 
01.4313.5050。7€-18€。

 

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