不気味、ともいえる不思議な世界

 題名を見て、モーリス・センダックの絵本を映画化した『Max et les maximonstres』の世界を期待して足を運んだら、その期待は見事に裏切られ、まったく違う世界が私を待っていた。マルセル・カルネの『天井桟敷の人々』の第一幕、さもなければテッド・ブラウニングの『フリークス』で観たような不気味、ともいえる不思議な世界、そう、親しみやすいお化けではなく、見世物と化した人間たち…ひげもじゃの若い女性、筋肉マン、今にも倒れそうな顔色の悪い踊り手たち…幕が開いてしばらくは、あ然と舞台を凝視していた私だけれど、テンポのよいロックのリズムを聞きながら「おー、そういえば」と思い出したのが、『ロッキー・ホラー・ショー』やデ・パルマの『ファントム・オブ・パラダイス』の退廃さと重なる「今」だった。
 これというストーリーはない。私たちは〈Le Maxi Monster〉という集団の見世物小屋でいろんな出し物を楽しむだけでいい。
 好奇というのは「奇妙なものが好き」ということで、自分とは違う、自分にないものに古代から人間は惹かれてきた。この舞台もまさにそう、美しいかどうか、というよりもトランプのカードのように次々と飛び出す出し物に好奇心を抱くだけでいい。
 演出は、大きな体から発される素晴らしい歌唱力で有名なジュリエット。この舞台で主役を演ずるパワフルなひげ女、スキャンダラス・ジナは、どこかジュリエットの化身?  2008年に創作され、パリそして地方でも人気を得てきたこの舞台、好奇心の強い人は、一度体験してみては?(海)
Alhambra : 21 rue Yves Toudic 10e
01.4020.4025  M°République 
9月28日迄21h。日休(夏休み中は日程が不規則になるので要確認)。27€-33€。         
www.lemaximonstermusicshow.com/

Le Maxi Monster Music Show



 

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