豚肉とパプリカの組み合わせもハンガリー風。

 4ページの連載〈Diaspora〉で、ハンガリーのメディアテックが取り上げられている。ボクは数年前の夏にハンガリーで出会った、素朴で心のあたたかい人たちが忘れられない。昨年は、ハンガリーの代表的料理で、グラーシュというパプリカ風味牛肉の煮込みを紹介したが、今回は、ブダペストの庶民的な店で食べる機会が多かった、パプリカ風味の豚肉の煮込みです。
 豚肉は、traversと呼ばれる骨付きの脇腹肉(スペアリブ)を1キロ買ってくる。この部分を使うと、脂が適度に混じっているだけでなく、骨からもうま味が出て、おいしく柔らかく煮え上がる。骨にそって切り分け、塩、コショウ。タマネギはみじん切り。赤ピーマンは種の部分をのぞいて細くせん切り。ニンジンは輪切り。パセリの葉は細かくみじん切り。
 ココット鍋にオリーブ油をとり強火にかけ、
まず肉を炒める。焼き色がついたらとり出す。鍋は洗わず、火を弱くしタマネギを加える。木のへらで、底に付いている肉のうまみをタマネギに移すように混ぜ合わせていく。タマネギが透き通ってきたら肉を戻す。パプリカ粉と小麦粉を振りかけてもうしばらく炒め、赤ピーマン、ニンジン、赤ワイン、chair de tomateというトマトの缶詰(右欄参照)を300グラム加える。水をひたひたになるまで足し、押しつぶしたニンニク、ローリエの葉、タイム、パセリも加える。沸騰したら火を落としフタをして1時間半くらい、肉が骨から離れそうになるまで、ゆっくりと煮込んでいく。ピーマンは甘みがあって鍋の底に焦げつきやすいから、ヘラで時々混ぜ合せることが大切だ。
 この間に、ジャガイモの皮をむき、熱湯で7分目にゆで上げておく。肉がほとんど煮上がったという時に、このジャガイモを入れ、それがほくほくっと煮上がったらでき上がりだ。最後に塩味を調え、味にアクセントが出るようにコショウを多めに挽き入れる。 
 ワインは、ハンガリー人も好むカベルネ・フラン種のブドウを使った赤ワイン、シノンはどうだろう。(真)
豚肉のスペアリブ1kg、ジャガイモ1kg、タマネギ中4個、赤ピーマン3個、ニンジン1本、ニンニク3片、缶詰のトマト300g、
パプリカ大さじ3杯、小麦粉大さじ1杯、赤ワインカップ1杯、ローリエの葉1枚、タイム4枝、パセリ適量、オリーブ油、塩、コショウ

●travers de porc
 豚のスペアリブtravers de porcは、豚肉の中でもいちばんおいしいところの一つ。中華街のレストランでは、甘みのきいたタレに漬けてからみごとな色に焼き上げられたものが吊るされている。好みの味のタレに漬けてからローストしたりバーベキューにしたりするのもおすすめ。タバスコソースを足せば、ニューオーリンズ風。オーブンでローストする時は、170度前後の温度でじっくりと、脂がにじみ出るように焼くといい。塩漬けにされてdemi-selと呼ばれる状態でも売られているが、これはさっとゆでて塩出ししてから、レンズ豆と煮込むのが定番だ。
●和風スペアリブの煮込み
 骨にそって切り分けた豚のスペアリブをボウルにとり、しょう油とコショウを振りかけて混ぜ合わせ、30分ほどおいておく。それを、フライパンに油をとって炒め、まんべんなくきれいな焼き色をつける。
 底広の厚鍋に油を大さじ2杯とり熱くする。ここへ熱湯をカップ2杯、しょう油、酒、砂糖を加え、少々濃いめの味にととのえ、肉を加える。八角を一つ入れるのもおすすめ。落としぶたをして、コトコトと気長に1時間半ほど煮込んでいく。落としぶたがなかったら、硫酸紙papier sulfuriséを鍋の形に切って、肉の上からかぶせるといい。最後に酢を大さじ1、2杯加え、強火にして、ぐつぐつっといったらできあがり。おいしい煮汁をたっぷり含んで柔らかく煮え上がった肉は、触ると骨から離れてしまいそうだ。
●トマトの缶詰
 トマトの缶詰はさまざまな種類があるけれど、一番利用する機会が多いのは、〈Tomates entières pelées au jus〉と〈Chair de tomates〉と明記されているものだろう。前者にはホールタイプのトマト、後者には皮をむかれてきざまれたトマトが入っている。味がついていないので、生のトマト同様に使うことができるので便利。それに、「最近の温室で育てられた味薄のトマトよりは、しっかり熟したトマトを使った缶詰を利用した方が、ずっとおいしいボロネーズソースができる」とイタリア人の友人、ファビオは言う。


Travers de porc au paprika



 

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