中世の歴史、ゴシック建築、怖い博物館。
ブリュッセルから、わずか30分でゲント(フランス語ではGandガン)に到着。時計台が印象的な駅を出て右手に行くと、ゲント美術館と、現代美術館があるシタデル・パークが広がる。
ゲントでまず訪れたいのが、シティーミュージアム・スタム〈STAM〉。ゲントの歴史が、最新のメディア技術でビジュアル化され、分かりやすくて楽しい。このスタムがあるベイローク修道院は、14世紀に建てられたゴシック建築の宝石!
さてそれでは、ゲント名物Waterzooiを食べに、町の中心へ。ワーテルゾーイは、ジャガイモ、ネギ、セロリ、ニンジンなどと鶏肉を煮込んだクリームスープ。たっぷりの野菜が嬉しい家庭料理。黒トラピストビール〈Westmalle Dubbel〉の、渋みが良く合った。美味しいワーテルゾーイが食べられるこの店の名前は、なぜか「首吊り縄」…。
レストランの前にあるフランドル伯居城に、ちょっと怖い博物館がある。12世紀に軍事要塞として建てられた城には、中世時代の拷問・処刑道具の数々が。展示室には、かの有名なギロチンが鎮座。切り落とされた頭部を受ける麻袋が付けられ、なんとも合理的でせつない。鈍く光る重たい刃には、ぞっとする存在感。そしてさらに、焼きごてや手錠、指先をつぶす装置など拷問・処刑道具の数々。「悪いことしたらこれでお仕置きだぞ」と冗談で、おどかされた子どもたちは…。
痛い想像で疲れてしまったら、レグリスやカシスのシロップが閉じこめられた伝統菓子Cuberdon(クベルドン)を屋台で買って、美しい運河沿いを散歩しよう 。
お土産探しに最適な〈Beer & Gin House〉のあるKraanlei通りを北上した左手、Rodekonigstraat通りには、素敵なレストランが見つかる。目指すは金曜広場に面した〈Dulle Griet 大砲〉という名のビアハウス。何百種類もの銘柄が用意された、由緒正しいビール好きの聖地。ここで体験したいのが、Kwak(クワック)と呼ばれるフラスコ型のグラスで飲むビール。この店では、一杯1.2€
入り! 伝統のしきたりは、お会計が済むまで、履いている靴の片方をお店に預けること…。
ゲントは少し歩くだけで、すばらしい建築や美術に出会える町。フランドル美術の最高傑作といわれる「神秘の子羊」がある聖バーブ大聖堂もすぐそこ。中世の面影と現代の暮らしが解け合い、文化的にも経済的にも豊かな美しい町。一日だけでは時間が足りそうにない。(高)
ゲント Gent
●観光局
Office du Tourisme de Gand : Sint-Veerleplein 5
+32 (0) 9266.5660 www.vsitgent.be
●町中の移動
ゲント駅から旧市街中心部までは、トラム利用が便利。
●美術館ほか
– STAM(ゲント市立美術館)
10h-18h。月火休。6€/1€(19〜25歳 )。19歳未満無料。Bijlokesite Godshuizenlaan 2 www.stamgent.be
– Gravensteen(フランドル伯居城)
9h-17h。月休。8€/4€(19〜25歳)。19歳未満無料。
Sint-Veerleplein 11 +32 (0) 9225.9306
– Museum voor Schone Kunsten Gent(ゲント美術館)
10h-18h。月休。5€/1€(19〜25歳)。19歳未満無料。
Fernand Scribedreef 1, Citadelpark +32 (0) 9240.0700
www.mskgent.be
●レストラン
– ‘t Stropke(「首吊り縄」)
ワーテルゾーイが名物の店。9h-22h。木休。
Kraanlei 1 +32 (0) 9329.8335 www.brasserietstropke.be
– Dulle Griet(ビアハウス)
月 16h30-01h 、火〜土 12h-01h、 日12h-19h30。
Vrijdagmarkt 50 +32 (0) 9224.2455 www.dullegriet.be
– Bord’eau(カフェ・ブラッスリー・バー)
運河に面したテラスが素敵。月〜木12h-14h30/18h30-22h、金〜土12h-14h30/18h30-22h30、日12h-15h。
カフェ・バーは月〜金11h-01h、土10h-01h、日10h-18h。
Sint-Veerleplein 5 +32 (0) 9233.2000
www.oudevismijn.be
●ホテル
– Hotel Erasmus ★★
心のこもった対応が嬉しい。 S 79€〜、W 160€〜。
Poel 25 +32 (0) 9224.2195 www.erasmushotel.be
ゲント名物Waterzooi
かの有名なギロチン
伝統菓子Cuberdon(クベルドン)の屋台。
ユネスコの世界文化遺産がある町並み。
フラスコ型のグラスで飲むビール