今回もイエール市在住の彩子さんにご登場願い、彼女が2回目の事故に遭ってしまった時のエピソードをお伝えしよう。
「駐車場で、左側から来た車と衝突しました。右側優先かつ低速走行が義務付けられている場所を、かなりの速度で走っていた相手との接触です。衝突後、相手は関係書類の記入を拒否しましたが、駆けつけた先方の父親に諭されたこともあって、何とか署名をもらうことに成功。写真をたくさん撮り、保険会社に確認の電話を入れたところ、走れる状態ならそのまま帰って良いとのことだったので、自走で帰宅しました。
その夜、先方の父親から電話。聞けば書類を書き直したいとのこと。記入したものに間違いがあったなら、自分の控えを訂正して保険会社へ提出すれば良いルールのため、会う必要は全くありません。何やら自分の有利に書き変えたいとの意図が垣間見えたので、『こちらの書類は保険会社へ送付したから、後は貴方の保険会社に掛け合ってくれ』と突っ跳ねました。その時は、前回に懲りて保険の種類を〈Tous risques 全補償型〉に変更してありました。相手に非があったため、修理費用の全額が支払われ、愛車は元通りに。先方の車はどうなったのかは、知りません」
「また私の日本人の友人の例ですが、彼がレンタカーで路駐の車に接触してしまった際、自分に非があったため丁寧に謝罪。その態度が相手に好感を与えたようで、相手は『慣れない道で、言葉も分からなくて大変でしょう』と同情さえしてくれ、とても和やかな雰囲気で書類記入できたそうです。
彼はその後も観光を続け、車を返却。〈Tous risques〉の保険だったので、追加料金は小額で済んだとのことでした」
この話を聞いてから、私はますます強く、こう言いたい。「多少の負担増になってしまうけど、こちらで運転する際は、皆さん、必ず〈全補償型〉保険に入って下さい!」(和)