19世紀に生まれた、芸術家気質を表す言葉「ボエーム」。しかし、もとをたどれば、「ボヘミアン」はボヘミア地方から来たとされるロムのことを指していた。ということで、展覧会の前半はロムを題材にした作品に費やされている。ロムは「エジプト人」と言われていた時代があり、「エジプト風」の独特の被り物を着けていた。ヨーロッパ人とロムの接触が始まった頃を紹介したコーナーが興味深い。後半は打って変って、「ボヘミアン」の意味がロムから離れ、貧しく無頼な芸術家たちの代名詞になった19世紀以降の芸術作品。せっかくロムのことが追求されかけていたのに、途中ではぐらかされたような気分になる。「ボエーム」はよく知られたテーマなので、テーマをロムに統一したほうが面白い展覧会になっただろう。
1/14迄(火休)。
Grand Palais : Entrée Clemenceau