まず公務上層部の給与削減。

5月30日付リベラシオン紙。
5月30日付リベラシオン紙。
 オランド大統領が就任早々に実行した公約の一つが大統領・閣僚の報酬30%の削減だった。2007年サルコジ前大統領が就任時に大統領としての報酬額を以前の7 084?から19 331?へと一挙に172%引き上げたのとは逆に、新大統領の給与も30%削減し、税込19 330?→14 910?、首相21 200?→14 840?、閣僚14 200?→9 940?に。この勇断はオランド大統領だけでなく2009年アイルランドのコーエン前首相も全閣僚の給与を−15%、2010年スペイン政府も同率減額、2010年以来キャメロン英国首相も閣僚の給与を5%削減。また公費節減のためオランド大統領は隣国や地方への交通手段として、サルコジ前大統領が使っていた公用機は使用せず車か列車で移動。さらに革命記念日のガーデンパーティも廃止する。
 オランド大統領の持論、給与の最高低差1対20の由来は、20世紀初頭に米国の自由党による発案らしいが今日、最低給与と億万長者の所得差は1対400以上と貧富差に制限がない。世界の億万長者225人の所得額は25億人の年収に匹敵するというからポスト資本主義に歯止めはない。
 オランド政権の次の赤字対策は国営企業総裁の給与にも向けられる。国営の52企業(武器産業、国営放送、電気・ガス・原子力、鉄道、郵便…)のうち23企業は100%国有株、13企業(空港・電気)は国が多数株主。これらの企業経営者の給与削減については経済相が理事会に通達し株主総会が承認するだけだ。国が少数株主であるエールフランス-KLM(15.8%)やルノーなどへの給与格差1対20の強要はむずかしそうだ。
 公営企業の給与例を挙げるなら、電気公団プログリオ総裁の2011年所得は155万?(固定給与1万€+変動給与55万€)だから、最下部職員の税込年収額24 840€に比べ64倍 !  1対20にすると68%削減され年収約50万€に。原子力産業アレヴァのウルセル新経営責任者の昨年所得は67万9千€。同グループの最低給与は年16 700?だから1対20にすると33万5千€(−49%)に下がる。
 エロー新内閣は、前政権時代の公営企業幹部の法外な手当も修正する方針だ。モスコヴィッシ経済・財政相の目に止まったのが、エールフランス-KLMのグルジョン前社長が昨年10 月引退時に40万€の補償金を受けていた件だ。エールフランス-KLMは2015年までに約5000人の人員削減を計画しているほか、ほとんど2カ月毎に国内便職員などの賃上げストがくり返されているなかで、前社長への高額補償金に経済相は我慢ならず、5月31日に開かれた株主総会で同氏への補償金問題を提議したら79%の株主がこの補償金の給付に反対した。法的に彼には返金の義務はないとされているが、経済相は「モラルに準じて」と迫る。ちなみに後任のジュニアック社長は2009年以来同額の給与額年20万?を維持し、幹部58人の給与を17%削減している。
 しかし、6 月17日の国民議会選挙の結果がどう出るか。閣僚の7割が出馬しており落選したら大臣席を去らねばならない。保守派が過半数を獲得したら、首相も含め閣僚は右派政治家に替わり保革共存政権となりかねない。そうなるとオランド大統領が掲げる60の公約が棚上げされることになる。 閣議で18、19歳で就労した者の定年を60歳に決めたばかりだが、それもどうなるか。(君)

 

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