パリはだんだん金持ちの町になって、庶民が通うことができる定食屋がだんだん少なくなってきたのが残念だが、その定食屋の前菜の定番の一つがニシンの油漬け。だんだん上手になってきたので、そのコツを紹介したい。めざすのは、適度の塩加減で身が柔らかく、ローリエやコショウの香りが感じられるものだ。
魚屋かスーパーでニシンのおろし身の塩漬けを買ってくる。大きめの方がふっくらと仕上がる。まず塩出し。もったいないけれどたっぷりの牛乳に漬けます。漬ける時間はニシンの塩加減次第によるけれど、2時間から3時間。最初は2時間でトライしてみよう。
白ワインを小鍋にとり、さまざまなスパイスを加える。おろし身6枚として、黒コショウ20粒、丁字2本、ローリエの葉2枚など。好みで八角少々を加えてもいい。中弱火にかける。白ワインが半分ほどに煮詰まったら、火から下ろして冷ます。
ニシンは塩出しが終わったら、クッキングペーパーで丁寧にしっかりとミルクをぬぐう。冷めた白ワインに、オリーブ油か落花生油を加えて、よく混ぜ合わせる。
フタができるテリーヌと呼ばれる陶器製の器などにニシンを重ならないように並べ、薄く輪切りにしたニンジンとタマネギを散らしタイム1枝を置き、さらにニシンを並べニンジンとタマネギを散らしタイム1枝を置き、という具合に二、三段に重ねたら、白ワインとオリーブ油をミックスしたものを注ぐ。フタをして冷蔵庫に入れ、少なくとも24時間は待ちたい。
ニシンの油漬けにはゆでジャガが付きもの。皮付きのままゆでてから皮をむき、二つに切り分けてから厚めの輪切りにする。まだ少々温かいうちに、このジャガイモを小皿に敷き、ニシンの油漬けを置く。その上からコショウ、ニンジン、タマネギをきれいに散らし、レモンを添えて食卓に。(真)
4人分:ニシンのおろし身の塩漬け6枚、黒コショウ20粒、
丁字2本、ローリエ2枚、タイム2、3枝、 ニンジン1本、
タマネギ1個、牛乳、白ワイン150cc 、油200〜300cc