フランスでは各種のプラムが6月から9月にかけて出回る。甘みが増しておいしくなるのは7月に入ってからだ。
緑色でやや黄色みを帯びたりしている中くらいのプラムがレーヌ・クロードreine-claude。パリ近郊でも栽培されている。身はしっかりとしているが、どこまでもジューシーで、甘酸っぱさのバランスがよく香り高い。そのままでもおいしく、砂糖煮、ジャムにしても素晴らしい。
フランスの南西部を中心に栽培されているprune d’enteは、大きめのプラムでやや細長く赤紫色。それほどジューシーではないが、甘みが強い。これを干したものがpruneau。
アルザス地方で栽培されているクエッチquetsche。中くらいのプラムで紡錘形。濃い紫色が美しい。身は黄色で甘みが強い。クエッチのタルトはアルザス名物です。同名の蒸留酒も作られている。
そして小粒で黄金色のミラベル。これはナンシー近郊など、ロレーヌ地方の名産だ。そのままを食べるより、砂糖煮にしてからシロップ共々冷たくしたものを味わうのが最高。今回作ったタルトも、ロレーヌ地方のレストランのメニューに欠かせない。カフェで「Une mirabelle, svp!」と注文すると、出てくるのは、クエッチ酒同様、透明で果物の香りが匂うような蒸留酒。