リーズナブルでおいしい店を日々探求しているが、それに〈使い勝手がいい〉が加われば鬼に金棒。土日も開いてて、必ずしも予約が必要でなく、腹具合や懐具合によって選択の幅が広く、給仕も親切で肉も魚もおいしい、そんなレストランが理想的だ。
La Gauloise は一見何てことないカフェ風の外観だが、中に入って、歴史を感じさせるナポレオン3世調の内装に驚く。ミッテラン大統領も常連だったという高級ブラスリーだけあって、フランスらしい食材を使った定番料理がメニューに並ぶ。
豪勢に食べたい場合はアラカルトという手もあるが、友人と私は手堅く前菜またはデザート+メインで24€ のコースにした。ワインはそれぞれ白と赤ワインをグラス(各6.5€)で。パンと一緒にエシレバターも給仕されてちょっと嬉しくなる。
牛肉のテリーヌも捨てがたかったが、ここの名物のひとつ〈ポトフ野菜と半熟タマゴ〉を前菜に選んだ。ディジョン産マスタードを効かせたヴィネグレットソースが野菜の甘みを引き立てていて、すんなり胃におさまる。友人のとった〈野菜とシェーブルのケーキ仕立て〉は、見た目の美しさもさることながら、土台にナス、ズッキーニ、トマトとこれまたたっぷり野菜がとれる一品でゴキゲンだ。
オーナー家族が自ら飼育に携わっているというオーブラック産の牛肉というのがどうしても気になって、メインには串焼きを選んだ。焼き加減もバツグンでおいしかったが、周囲にまぶしたハーブがたっぷり過ぎて、肉の味を逆に隠してしまっているのが残念。牛肉にこだわらず、豚のクレピネット(網脂)包みでもよかったかなぁ、とちょっと後悔。友人のサーモンの片面グリルは、少々火が通り過ぎているかなと思ったが、添えられたソースが身のパサつきを巧妙に抑えおいしく仕上がっていた。
パリ・ブレスト、モワル・オ・ショコラ、スフレと、気になるデザートがアラカルトメニューに勢揃い。デザートまできっちり楽しむのは、お腹も財布も余裕のある時に持ち越しかな。(里)
La Gauloise
Adresse : 59 avenue de la Motte-Picquet , 75015 Paris , FranceTEL : 01.4734.1164 M° La Motte-Piquet Grenelle
12h-14h30/19h-23h 無休 - 日曜営業 - 祝日営業 - 22時以降営業