大麻の合法化を提案するパリ郊外の市長。

元麻薬取締官のセルジュ・ シュペルサックと共著で 「ディーラーと決着をつける ために」を出版した。 Grasset社発行。16€。
元麻薬取締官のセルジュ・ シュペルサックと共著で 「ディーラーと決着をつける ために」を出版した。 Grasset社発行。16€。

Stéphane Gatignon

 6月1日、パリから約20キロ人口約5万人の町セヴランのモンセルー団地で、麻薬のディーラー間の撃ち合いがあった。その団地内にある幼稚園では一日中幼稚園児が外に出ることを禁止せざるを得なくなった。
 この団地では、3月下旬ごろからディーラー間の縄張り争いが激しさを増し、住民の間で不安が高まっていた。セヴラン市のユーロップ・エコロジー党所属ステファン・ガティニョン市長(41)は、警察だけでは24時間の取り締まりは不可能だとし、「縄張り争いを終わらせて、流れ弾による危険や悲劇を避けるために、『国連軍』のごとく24時間中いつでも仲介できるように、軍隊の駐屯を、内務省に求めたい」と発言した。この発言の様子は、たちまちテレビ各局で放映され、クロード・ゲアン内務相は大慌て。そっそく翌日同市を訪れた。「厳重に取り締まるしかない。ディーラーたちの居どころはここではなく刑務所だ。しかし軍隊動員というのは枠外で、警察が取り締まる。58名増員したい」と発言。これに対しガティニョン市長は「内相の約束が実現すれば申し分ないが、いつものごとく日が経つと忘れられる口約束では」と不信感を隠さない。
 セヴラン市は、若者の失業率が極めて高く、イル・ド・フランス地方の中でも一番貧困な町の一つとして知られている。こうした社会状況が、一部の若者たちを麻薬の密売に走らせるのだから、取り締まりの強化だけでは麻薬売買は後を絶たないと、と2001年以来、市長を務めているガティニョンは考える。「以前は、密売の場は2万ユーロから5万ユーロで譲られていたが、今では撃ち合いで解決されるようになってきている。(…)大部分が保守的かつ反動的な政治家たちは、現実に直面することをおそれている。現実的な解決策を模索するかわりに〈麻薬〉をこわがっているだけだ。より害のあるアルコール飲料やタバコが市販されているというのに。(…)大麻を摂取することを、罰しないというだけでは不十分だと思う。麻薬の密売は相変わらず続くだろう。私は合法化することに賛成だ。それがフランスでの密売そして国際的犯罪に終止符を打つ唯一の手段だ。こうすることによって大麻の生産と品質をコントロールできるようにもなる」(真)