人に影響を受け人が変わる、そんな変化が見せられたら。

●『映画』の門井肇監督インタビュー
 絞首刑を待つ若き死刑囚と、執行時に補助役として死体を支えれば一週間の休暇がもらえる看守。静かに極限的な状況を生かされるふたりの男。等身大の人間の姿を丁寧に浮かび上がらせる映画『休暇』は、昨年のKINOTAYO映画祭で最高賞にあたるソレイユ・ドールを受賞。11月20日には本年度映画祭でアンコール上映が予定されている。パリでの再上映を前に門井監督の声をお届けしたい。

– 死刑制度というテーマは?
 僕自身は死刑制度に深い興味はなかった。だからプロデューサーがこの物語を持ってきた時、自分が作品として世に出してよいものか迷いがあった。だが1カ月考えた後、プロデューサーに「僕の切り口(=人間ドラマ)を認めてくれればやってみましょう」と答えた。死刑はあくまで題材で。実際、映画で見られることは出てくる人たちの生き様。それを人に見せてどう感じてもらえるか。登場人物が出会った人に影響を受けて変わる、そんな変化が見せられたらいいかな。
– 死刑廃止の国で上映しての反応は?
 これまで何度か海外の映画祭で上映されたが、フランスに限らず死刑廃止の国でも、テーマに対する拒否反応はあまりない。「制度は制度」として捉えてくれたよう。意外にも死刑制度より、映画表現についての質問が多かった。

– 映画は誰に向かって撮るのか?
 あまり狙いを定めない。誠実にきちんと作ることだけを心がけている。そうすれば世代や言語の違いに関係なく、丁寧にやった部分は観客もちゃんとひろってくれると思う。
– 〈KINOTAYO〉映画祭の感想は?
 アットホームな映画祭ですね。ホテルや食事は豪華だけど(笑)。僕はこぢんまりとした方が好きだから、楽しんだ。
(聞き手/林瑞絵)

*映画『休暇』はパリ日本文化会館で11月20日の17時30分~アンコール上映。本年度KINOTAYO映画祭は11月20日?12月11日まで開催。『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』『なくもんか』『すべては海になる』など最近の邦画話題作を一挙上映。詳細はwww.kinotayo.fr/