ハーブで覆われたチーズ

●Fleur du Maquis
 この前の日曜日、朝市に出かけたら、コルス島の名産を売っている小さなスタンドが出ていた。コッパなどの豚肉製品やさまざまなチーズ…。その中に〈Fleur du Maquis〉と呼ばれる、高さ4センチ、直径7センチくらいで全体がハーブで覆われたチーズを見つけた。赤い唐辛子2本が「花」のように飾られている。さっそくスタンドのおじさんにたずねてみた。「これはコルス南部の羊乳のチーズで、マキ(灌木地帯)に生えるローズマリーやサリエットなどのハーブをまぶしつけながら熟成させます。身はプレスしていないので柔らかめ」という返事。早速、一つ買い求めた。
 なるほど、ナイフがすっと入る。切り口はほとんど白に近いクリーム色だ。口に含んでみると、思ったより塩味が強いが、かみしめていると、マキの草花やハーブを食べて育った羊の乳ならではのこくがあり、独特の風味が広がっていく。その風味とローズマリーなどのハーブの香りの組み合わせはみごと。ワインはコルシカのまろやかな赤がほしいところだが、暑い時なら南仏のきりりと冷やしたロゼも合いそうだ。軽くトーストした田舎パンに塗りつけて食べたら、塩味も薄らいでさらにうまくなった。(真)