フランスには飛び級があった。

 小学校に入学早々、ミラは「(授業が)簡単過ぎる~」と不満を漏らし始めた。「そんな図々しいことを言っていられるのは今のうちだよ」と適当にあしらっていたら、数日後担任の先生からお呼びがかかった。なんでも「飛び級をさせた方がいいかもしれないからテストをしたい。結果次第で親子面談をしましょう」と言うのだ。予想もしなかった事態に驚き、そして内心私は鼻高々。ミラは体も大きく性格もマセ気味なので普段から年上の友だちが多い。一学年上がっても馴染みやすそうには見える。本人も「CE1(小2)にいきたい」と意欲的だ。すぐにジルに電話で相談。すると「急がせればいいってもんじゃない。飛び級して無理するより今のままの方が自信がついていい」と完全に懐疑派。伸び始めた私の天狗の鼻を打ち砕く。そして「1年浮くからいつか日本に留学させてもいいかも」と私が言えば、ジルは「ミラはずっとフランスに居るんだ!」と怒るのだった。
 その後、ミラはフランス語と算数のテストを見事パス。すぐにCP(小1)とCE1の先生+校長+憎っくきジル+私にミラ本人も交えて面談と相成った。そこでCE1の先生が「きっちりサポートします」と約束してくれたことがジルの気をよくしたらしい。その場であっさりと折れた。こうしてミラのCP時代は2週間で実にあっけなく幕を閉じた。なんとも合理的なフランスの学校システムにカルチャーショックである。(瑞)