マッサージはフランス語だが、肩こりは日本人の発明?

 「Avez-vous de courbatures aux épaules 肩がこってはいませんか?」と一度はフランス人に聞いてみたいと思っていたので、ある日、この疑問を投げかけてみた。答えは「Non!」。スポーツなどをやった後の肩の筋肉痛はあっても、肩こりということは彼らの頭の中ではかなり希薄なようだ。フランス人は肩がこらないような体質を持っているのに対し、日本人は体質的にも、そして周りにもひどく気を遣う民族だから肩がこるのだろうか。
 フランスでは、肩こりと背中の痛みが混同されているところがある。日本人は悩みが多いと胃が痛くなるというが。フランス人は悩みが多いと背中が痛くなるといったりする。そんな時は、アロマテラピーが効果あると試したり、水泳をしたりキネ(運動療法士)のところに出かけて行く。
 ところが最近の日本文化ブームで、フランス人の「肩こり」現象にも変化が起きている。彼らが喜ぶ日本みやげの一つに、ピップエレキバンやサロンパスがある。最初はバカにしていた彼らも、効き目があると自覚しはじめてきているようだし、日本式の整体マッサ ージを受けてみたいという人も増えてきている。最近パリでは、セーヌ川の橋の上で、通りかかった人にクィックマッサージを提供している人もいる。
 日本在住のフランス人の友人は、日本に来て「カタコリ」というコトバを知って、初めて肩がこるということを意識するようになったと言う。肩こりは勤勉な日本人の職業病のようなものだからと教えてあげたら、仕事熱心な彼は、数日後に肩がこるようになってしまった。
 つまりは日本人も、フランス人のように「カタコリ」というコトバを知らなければ、自然に肩こりは解消してしまうのだろうか?(有)